研究課題/領域番号 |
20K11241
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
小阪 淳 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (40243216)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | リンパ浮腫 / 動物モデル / ポドプラニン / podoplanin / 免疫組織化学 |
研究開始時の研究の概要 |
リンパ浮腫の治療法には、基礎研究データの裏付けに欠けているものがある。リンパ浮腫に対して、患肢の運動療法が浮腫軽減・リンパ管網の再構築に効果があるかどうかを、「続発性リンパ浮腫の実験動物モデル」を用いて検証する。この研究によって、実験動物へ運動負荷によって「リンパ管内皮細胞」をはじめとした種々の形態変化を引き起こすかどうかを明らかにする。臨床現場で経験的に行われている圧迫療法、運動療法の効果について、実験的な証拠立てを試みる。リンパ浮腫の病態メカニズムが明らかになるだけでなく、運動療法の効果が基礎医学的に実証され、理学療法分野への大きな貢献が期待出来る。
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研究実績の概要 |
続発性リンパ浮腫の動物モデルを使用して、リンパ浮腫を発症した患肢の運動療法が、浮腫軽減、リンパ管網の再構築に効果があるかどうかを検証するのが、本研究の目的である。ラットを用いたこの動物モデルのリンパ浮腫発症、治癒過程において、リンパ管内皮細胞の質的変化、形態変化が起こることは、すでに確認されている。初年度より継続して、使用時に副作用として続発性リンパ浮腫を引き起こすとされる、タキソイド系抗腫瘍剤(ドセタキセル)を成獣メス・ラットに注入し、リンパ浮腫が再現できるかどうかを検討した。 3クールにわたってドセタキセルをラット腹腔内に注入後、動物を麻酔薬の大量投与により安楽死させ、灌流固定後、脱灰し、下肢全周のパラフィン包埋組織標本を作製した。陽性に染色されたリンパ管形態の変化を調査している。現在までのところ、ドセタキセル注入により、下肢周囲径の拡大は見られないこと、すなわち浮腫の症状は見られないことが明らかになった。そこで、単位面積当たりのリンパ管数、環状、線状、点状のリンパ管数等に、正常対照との差がないかどうか検証を行っている。現在さらに、リンパ管内皮細胞におけるpodoplanin mRNAの局在を調査するため、RT-PCRによりpodoplanin cDNA断片の単離を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度来からの研究の遅れが積み重なり、現在までやや遅れている状況に変わりはない。新型コロナ・ウイルス感染症の蔓延により、試薬、物品の入手遅延、実際の研究の遂行に少なからず支障が発生した。また、教育業務にかかる時間や労力が著しく増加し、感染症が収まってきた中でも、その状況に改善が見られない。本課題遂行にかかるエフォート率の実質的な低下をきたしている。
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今後の研究の推進方策 |
リンパ管内皮細胞マーカーである抗podoplanin抗体を用いて、続発性リンパ浮腫モデルラットの皮下のリンパ管内皮を免疫組織化学的に描出し、リンパ浮腫の発症・治癒過程でのリンパ管数、リンパ管形態の変化を調査してゆく。並行して、in situ ハイブリダイゼーション法を用いて、続発性リンパ浮腫モデルラットの皮下のpodoplamin mRNAの局在を調査する。遺伝子の転写レベルで、リンパ管内皮細胞、およびその前駆体を検出し、リンパ浮腫発症・治癒過程を、さらに詳細に明らかにしてゆく。
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