研究課題/領域番号 |
20K11296
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
岩田 全広 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (60448264)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 悪液質(カヘキシア) / 骨格筋機能低下 / 筋萎縮 / 筋肥大 / 温熱刺激 / ビタミンD / グルココルチコイド / グルココルチコイド受容体 / 悪液質(カヘキシー) / 骨格筋萎縮 / 骨格筋肥大 / 核移行 / 骨格筋 / 萎縮 / 肥大 / 糖質コルチコイド / 糖質コルチコイド受容体 / 慢性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,心血管疾患,糖尿病,癌,慢性呼吸器疾患などを中心とする非感染性慢性疾患において二次的に誘発される体重,骨格筋および脂肪量の減少を総称した,悪液質(カヘキシー)という病態が問題視されている。本研究課題では,骨格筋の加温とビタミンDの投与を組み合わせた新しい治療介入が,悪液質により引き起こされる代謝異常とそれに伴う骨格筋萎縮の進行過程に及ぼす影響を検討する。さらに,その作用機序を解明することで,悪液質に由来する骨格筋機能低下に対する治療や予防を目的とした効果的で効率的な治療法の開発に向けた基礎的資料を提供する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、温熱刺激またはビタミンD投与が悪液質による代謝異常とそれに伴う筋萎縮の進行過程に及ぼす影響ならびにその作用機序を解明することであった。その成果として、(1)温熱刺激はHSP72の発現増加を介してグルココルチコイド受容体の核移行を阻害することで、(2)ビタミンD投与はAktリン酸化量の増加を介してフォークヘッド型転写因子の核移行を阻害することで、悪液質によって生じるタンパク質合成に関わる情報伝達系の不活性化およびタンパク質分解に関わる情報伝達系の活性化を抑制することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床で遭遇する慢性疾患患者は、原疾患そのものの特異的な病態や二次的な廃用症候群のために運動を十分に実施できないことが多く、これらの人々への運動処方は慢性疾患対策が直面している大きな課題のひとつとなっている。したがって、運動制限を有する患者を対象にした場合においても、優れた運動効果をもたらすことができる、他の方法論の早期開発が求められている。 本研究は基礎的研究に基づくものであるが、その成果は寝たきり患者や体力が低下した患者であっても施行可能である温熱刺激、ビタミンD投与またはそれらを組み合わせた介入が、悪液質に由来する代謝異常とそれに伴う筋萎縮の予防・治療に有用である可能性を示唆している。
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