研究課題/領域番号 |
20K11341
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
|
研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
林 貢一郎 國學院大學, 人間開発学部, 教授 (90433474)
|
研究分担者 |
小林 唯 國學院大學, 人間開発学部, 助教 (50782843)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | エクオール / 動脈硬化 / 有酸素運動 / イソフラボン / 血管内皮機能 / エストロゲン |
研究開始時の研究の概要 |
エクオールは大豆イソフラボンから腸内細菌により生成される物質で,エストロゲンと同様に動脈硬化を抑制する。エクオールを産生できるか否かは腸内細菌の働きによる。一方,有酸素運動によっても動脈硬化の進行が抑制されるが,閉経後女性では,有酸素運動の実施による動脈機能改善にエストロゲンの有無が関係している。これらから,エクオール産生者では非産生者よりも有酸素運動トレーニングによる動脈硬化改善度が大きいことが予測される。本研究では,この仮説と立証し,経済的かつ効果的な運動・栄養(サプリメントを含む)処方策を提案することを目的とする。そのために,閉経後女性を対象とした横断研究と有酸素運動の介入研究を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究課題の目的は,大豆イソフラボンの代謝産物でありエストロゲン活性を有するエクオールの産生能の有無が有酸素性運動トレーニングによる動脈硬化改善効果に及ぼす影響について検討することであった。閉経後女性を対象として,8週間の有酸素運動トレーニングを実施し,その前後にエクオール産生能,頚動脈および大動脈の動脈硬化指数を測定したところ,これらの動脈硬化指数の改善はエクオール産生者で非産生者よりも明らかに大きかった。また,8週間のイソフラボン摂取のみでは,動脈硬化指数は変化しなかった。これらの結果は,エクオールが有酸素運動実施による動脈硬化改善効果を促進することを示唆している。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究の学術的意義は運動トレーニングによる動脈機能の適応や改善に腸内環境に依存した生理活性物質であるエクオールが関与することを世界に先駆けて明らかにした点である。本研究により,閉経後女性において,エクオールの存在が有酸素運動の動脈硬化改善効果を促進する可能性が示唆された。これらの研究成果は,大豆製品を日常的に摂取する習慣のある日本人女性において,エクオール産生能に基づいた運動や食事・サプリメントの最適な選択方法の提示につながるものと考えている。
|