研究課題/領域番号 |
20K11389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 神奈川工科大学 (2022) 徳島大学 (2020) |
研究代表者 |
宮本 理人 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 准教授 (60456887)
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研究分担者 |
土屋 浩一郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (70301314)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脂肪細胞分化 / 加圧ストレス / 脂肪細胞 / 細胞分化 / 3T3-L1細胞 / トレーニング / ストレス応答 / 再生医療 / メタボリックシンドローム |
研究開始時の研究の概要 |
加圧ストレスが生体に与える影響を解明し、メタボリックシンドローム、肥満などの代謝疾患予防、治療戦略の立案および再生医療などへ活かすための基盤となる知見を得ることを目的に、脂肪細胞の分化と脂質代謝を中心とする細胞機能を対象として細胞レベルでの加圧ストレスの直接的効果の解析を行う。比較的穏やかな加圧ストレスが細胞に及ぼす直接的な作用は殆ど解明されていないが、再生医療を中心とする疾患予防、治療に役立つ可能性が示唆されている。本研究では肥満症における圧ストレスの病態学的意義や、代謝疾患および脂肪萎縮症の予防、治療への応用を念頭に、加圧ストレスの直接的な影響とその分子メカニズムを明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
我々は3T3-L1細胞において、極めて軽度の加圧ストレスが分化を抑制することを世界で初めて見出した。このとき、脂肪分化に関わる一部の因子においては発現量低下が認められたが、脂質合成系に対する抑制作用および、脂肪酸酸化系に対する亢進作用は認められず、脂質代謝系に作用して中性脂肪を減らすのではなく、細胞分化自体が抑制されていることが確認された。さらに、このとき少なくとも2種類のストレス応答性分子に関して活性変化を示唆する結果が得られ、阻害実験により、そのうちの1分子に関して、分化抑制作用の明らかな軽減が観察され、圧力変化を媒介し、脂肪細胞分化を制御する上流因子の一つであることが強く示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、トレーニング領域などで臨床応用の進む、「加圧」が直接的に細胞分化を制御しうることが解明され、これまで注目されることの殆どなかった細胞分化、組織・臓器分化に注目した、安全性、有用性、双方の観点からのさらなる研究の必要性が明らかとなった。本研究は軽度加圧培養の再生医療、細胞治療へのさらなる応用の可能性をも示唆しており、産業、医療への応用につながることが期待される。さらに、肥満での脂肪組織内でおこる機械的ストレスとの類似性から、病態生理学的な意義との関連についても今後検討を進めたいと考えている。
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