研究課題/領域番号 |
20K11423
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
渋谷 賢 杏林大学, 医学部, 准教授 (30406996)
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研究分担者 |
中本 浩揮 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 准教授 (10423732)
畝中 智志 北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (50822946)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 身体所有感 / 身体錯覚 / 内受容感覚 / 感覚運動制御 / 心拍誘発電位 / 自己意識 / 脳波 / マインドフルネス / ラバーハンド錯覚 / 身体性自己意識 / 内受容感覚の気づき / 心拍 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちヒトは自らの身体を環境と区別し,<私のからだ>であると当然のように感じています.これは身体所有感と呼ばれる身体意識の一つです.ところが,ラバーハンド錯覚と呼ばれる身体錯覚が生じているとき,私たちは自己身体以外の人工物を<私のからだ>のように感じてしまいます.ラバーハンド錯覚は私たちの身体所有感の柔軟性を示す現象ですが,その錯覚量は個人差が大きいことが知られています.本研究プロジェクトは,身体所有感の個人差は環境との相互作用の様相(感覚運動制御)と身体内部環境の変化の感覚(内受容感覚への気づき)が複合的に関連しているとの作業仮説をもとに,それらの関連性を明らかにすることを目指しています.
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研究成果の概要 |
ヒトは自らの身体を“私のからだである”と知覚している.これは身体所有感と呼ばれ,その発生機序は学際的な研究対象となっている.本研究の目的は,身体所有感と内受容感覚への気づき,感覚運動制御の関連性を明らかにすることであった.本研究プロジェクトでは主に3つの研究成果が得られた.すなわち,①身体錯覚の一つであるラバーハンド錯覚は身体所有感を変化させうるが,脳波-心電図の同時計測から得られる心拍誘発電位に影響を及ぼさない,②ラバーハンド錯覚により影響を受けた手の触覚処理は,影響を受けなかった手よりも遅延する,③身体化した人工手の示指の運動観察が観察者の運動産出(示指の挙上運動)を促進する,である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の学術的意義は,身体所有感と脳内機序の関連性を明らかにしたことである.心拍誘発電位の先行研究は,全身版の身体錯覚と心拍誘発電位の関連性が報告されていたが,本研究におけるラバーハンド錯覚ではその関連性が示されなかった.それゆえ,本研究の結果は一つの知見を与えていると考える.また,ラバーハンド錯覚中の触覚時間順序判断を調べた先行研究は,片手のみの錯覚を扱っており,両手の錯覚で行ったのは本研究が始めてであった.この研究では,身体錯覚が時間順序判断に及ぼす効果量が先行研究に比べて小さいことも示された.
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