研究課題/領域番号 |
20K11479
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
中谷 敏昭 天理大学, 体育学部, 教授 (60248185)
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研究分担者 |
灘本 雅一 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 教授 (10712846)
寺田 和史 天理大学, 体育学部, 教授 (40454798)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 高齢者 / 動的バランス / 静的バランス / 下肢筋機能 / バランスパッド使用有無 / トレーニング / 椅子からの立ち座り / 下肢筋パワー / トレイルメーキングテスト / コーディネーションテスト / ステッピング / 姿勢安定性 / 固有受容器 / 十字移動テスト / 加齢変化 / 中高年齢者 / 重心位置 / 偏差 / 若年者 / 重心軌跡 / 足圧中心動揺 / 十字移動 |
研究開始時の研究の概要 |
1年目では,中高年齢者と高齢者を対象に十字移動テストの信頼性と妥当性を確認する.2年目では,十字移動テストで測定した十字移動能力をすでに有している若年者のデータに加えて男女の加齢変化を明らかにする.最終年では,下肢筋パワー発揮能力の改善を企図する椅子からの立ち上がりや連続ジャンプ運動の定期的な実践が,中高年齢者の動的バランス能力(十字移動能力)に及ぼす影響を検討する.本研究課題の遂行から,転倒につながる動的バランス能力の現況を明らかにでき,介護予防に役立てるスクリーニングテストや転倒予防につながるトレーニング指導内容を社会に提供することができる.
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研究実績の概要 |
新型コロナ感染症の影響のため、研究期間を1年延長して最終年度の研究課題を遂行した。目的は、高齢者を対象とした条件の異なるトレーニングが十字移動能力で評価する動的バランスと静的バランス、下肢筋機能への影響を検討であった。地域に在住する65~86歳の健康な高齢男女36名を対象に、トレーニングにバランスパッドを使用する群(BP)と使用しない群(NBP)に対して性別と年齢で割り付けた。介入期間は8週間とし、月2回の運動教室を含む平日5回の自宅運動を行わせた。BPとNBPは、筋力運動とバランス運動をBP使用の有無で異なった以外は同じとした。筋力運動は椅子からの立ち座りを10回,各4秒かけて1~2セット、バランス運動は両足肩幅、両足閉足立位、2秒に1回のゆっくりとした足踏みを各60秒,2~3セット行わせた。また、足裏ジャンケン(グー・チョキ・パー)と足裏ストレッチ、マッサージを柔軟運動とともに行わせた。評価項目は足圧中心(CoP)の十字移動距離(動的バランス)、動揺速度・面積・軌跡長(静的バランス)、下肢筋機能(方向変換ステップ、ステッピング、椅子立ち上がり筋力、最大2歩幅)であった。 介入期間におけるトレーニング実施回数は15~53回で、BPとNBPに差はなかった。トレーニング継続率は94.4%と高く、有害事象もみられなかった。十字移動により評価した動的バランスは、左右への最大移動到達距離の増大にBP使用による効果が示された。一方、静的バランスでは、開眼あるいは閉眼条件での各CoP動揺変数にBP使用の影響は認められなかった。下肢筋機能では、方向変換ステップやステッピングの敏捷能力,椅子立ち上がり筋力、最大2歩幅へのBP使用による影響はなかった。以上の結果から,BPを使用したトレーニングは、動的バランスをわずかに改善させたものの、静的バランスや下肢筋機能への影響はない内容であった。
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