研究課題/領域番号 |
20K11485
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59030:体育および身体教育学関連
|
研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
道上 静香 滋賀大学, 経済学系, 教授 (40346010)
|
研究分担者 |
島田 一志 金沢星稜大学, 人間科学部, 教授 (00454223)
小倉 圭 滋賀大学, 経済学部, 講師 (00805848)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 学校体育 / スポーツ現場 / ICT / データ分析 / 映像・情報の活用 / ICT / 情報の活用 / スポーツ教育 / テニス / ネット型スポーツ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は,学校体育・スポーツの教育・指導現場において,スポーツの動きを,時間的・空間的制約なしに,生徒自らが多様な観点から分析・評価し,それらをスポーツ実践に有効活用できれば,その学習効率は飛躍的に高まると考える.また,スポーツを「分析する」,スポーツに「情報を活用する」という新たな視点からの教育・指導を展開することで,スポーツへの深い学びを促すことやスポーツの多様な価値,見方・楽しみ方・関わり方を見出すことにも貢献できると考える.したがって,本研究では,学校体育・スポーツの教育・指導現場において,ICTを活用したスポーツの技術・戦術向上のための教育支援システムの開発・実用化を目指す.
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は,学校体育・スポーツの教育現場において,ICTを活用した教育支援システムの開発・実用化を目指すことであった.令和4年度においては,硬式テニスにおけるトップアスリートの指導現場において,ICTを積極的に活用し,競技力向上に向けた取り組みを遂行することであった.特に,ここでは,指導現場と科学サポート班との連携・協働によるゲーム・映像分析サポートを中心に遂行した.対象者は,プロテニス選手・実業団テニス選手であった.この数年において,新型コロナウイルス感染症の影響により,試合開催が見送られたり,開催されたとしても,無観客試合となったりするなど,年間を通じて,本研究に必要な膨大な量の試合映像を取得することが困難な状況であった.その中で,一部,開催された国際大会や実業団大会でのライブ配信映像を積極的に活用しながら,ゲーム・映像分析サポートを遂行した.ゲーム・映像分析サポートの流れは以下の通りである.①指導現場から科学サポート班へ分析対象選手・分析内容・分析項目などを依頼,指導現場の持つ主観的・直観的な情報も伝達,②指導現場・科学サポート班の双方向による映像検索・収集の実施,③得られた映像に基づき,科学サポート班による独自に作成した分析ソフトを活用し,リアルタイムでデータの収集・分析・評価の遂行,得られた分析結果・コメントなどを,インターネットを介して,指導現場へ情報提供,④指導現場は得られた分析結果・コメント内容等の確認作業・感覚との照合作業及び情報・意見交換を遂行,更なる分析内容・項目を科学サポート班に依頼,という一連の流れで遂行した.その結果,双方向での密な連携・協働による遠隔サポートを通じて,指導現場の感覚を裏付ける科学データが提示できたことや,得られた科学データが,具体的な戦術指導に役立ったことなど,これらの取り組みが試合の勝利に貢献したことが明らかとなった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スポーツの教育現場におけるICT活用の取り組みについて,データ収集・分析を継続して遂行しているものの,ここ数年の新型コロナウイルスの影響を受けて,特に,競技レベルのスポーツ現場における試合・イベントなどの活動制限により,思うような研究活動が遂行できなかったことが大きな要因である.少しずつ緩和されてきてはいるものの,本研究に必要とされるスポーツの技術・戦術に関連する映像・数値データ,指導者・教育者との情報交換・意見交換など,充分な量的・質的情報の獲得には至っていないのが現状である.
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究活動については,継続して,学校体育及びスポーツ教育現場におけるICT活用の取り組みについて実施していくこととする.特に,令和3年度に執筆したスポーツ教育現場におけるICT活用の取り組みとしてのバドミントン授業での授業実践を軸に,球技系種目(硬式テニス・野球など)においても,その教育的効果について再検討していく.ここでは,独自のデジタル教材の作成・活用,トップアスリートや学生自身の映像活用・教育支援システムの活用などを通じて,技術・戦術の改善・向上を主たる目的としながらも,学生自らが多角的な視点から運動・スポーツを理解し,実践できるような,教育及び研究を遂行していく.また,スポーツ教育現場におけるICT活用の実際について独自に作成したアンケート調査を活用し,継続して,明らかにしていくこととする.さらに,新型コロナウイルス感染症の影響による体育・スポーツの現場におけるICT教育を中心とするオンライン授業の在り方や,対面・実技授業におけるICT活用の在り方についても考察を深めていく.加えて,教育者や指導者からの情報交換・意見交換,ヒアリング調査なども実施しながら,特に,ラケット系種目の指導手順に関する情報収集とともに,体育・スポーツ現場におけるICT教育の実態などについても行っていきたい.得られた結果については,学会発表や論文執筆を通じて公表していくこととする.
|