研究課題/領域番号 |
20K11535
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 十文字学園女子大学 |
研究代表者 |
中村 禎子 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (60382438)
|
研究分担者 |
中山 敏幸 産業医科大学, 医学部, 教授 (30284673)
奥 恒行 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 客員教授 (50010096)
田辺 賢一 中村学園大学, 栄養科学部, 准教授 (60585727)
下内 章人 中部大学, 生命健康科学部, 教授 (80211291)
金高 有里 十文字学園女子大学, 国際栄養食文化健康研究所, 客員研究員 (80420909)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 腸内細菌由来代謝産物 / 腸内細菌由来水素ガス / 葉酸 / 胎仔 / 抗酸化 / 発生・分化 / 水素ガス / 腸内細菌 / 難消化性糖質 / DOHaD |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、妊娠期の母体の栄養環境に依存して胎児期の発生に異常を来すモデルマウスを用いて、妊娠期に難消化性糖質含有飼料を摂取させ、母体の腸内細菌が産生する水素ガスが胎児へ移行することによって、胎児のWntシグナル伝達を調節して正常な発生に誘導し、成長後の疾病の罹患や重症化へ及ぼす影響をモデルマウスを用いて明らかにする。 申請する科研費では、まず、【実験Ⅰ】において、妊娠期に葉酸過剰飼料と、これに難消化性糖質を含有する飼料を与えて、胎児の発生期に惹起する異常に対する影響を観察する。【実験Ⅱ】では、実験Ⅰと同じ飼料を妊娠2週間前から与えて実験Ⅰとの同異を検討する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、妊娠期葉酸過剰モデルマウスを使用し、次の仮説を検証することを目的として各年に実験を実施してきた。妊娠期葉酸過剰モデルマウスは、妊娠期母獣に過剰な葉酸を摂取させた出生した仔に、その成長後にインスリン抵抗性が惹起されるモデルである。このモデルマウスに過剰な葉酸と難消化性糖質を同時に摂取させ、A)腸内細菌が産生する水素ガスが胎児へ移行することにより、B)生体酸化を抑制し、C)胎児の発生・発達を正常化し、D)成長後の疾病の罹患や重症化を予防する、という仮説である。この科研費では、A)B)C)を実施し、2022年度はB)生体酸化抑制作用とC)胎児の発生・発達の正常化について実験を実施した。 実験は、次の3群に割り付けて飼育したマウスから2021年度までに採取したサンプルを用いて実験した。①対照としてAIN93精製飼料群を設け、②これに葉酸を添加した葉酸添加群(モデルマウス用の飼料)③水素ガスをはじめとする腸内細菌による代謝産物の影響を観察するために、②の葉酸添加飼料に難消化性糖質を含有する飼料群とした。これらの飼料を妊娠1日目から摂取させ、出産前に解剖して採取した母獣と胎仔のサンプルを用いて、以下の実験を実施した。 まず、尿中等へ排泄される酸化ストレスマーカーを測定し、次に、抗酸化に関わる酵素についての活性、タンパク質発現、mRNA発現を測定した。モデルマウスに観察される酸化ストレスの亢進は、母獣、胎仔共に、難消化性糖質の同時摂取により影響を受けることが明らかになった。また、モデルマウスにおけるインスリン抵抗性の誘発に関わる胎仔の膵臓中のタンパク質発現は、母獣への難消化性糖質摂取によって影響を受けることが明らかになった。 2023年度早期に英文学術誌掲載を目標として、得られた実験データについての精査を終了した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は最終年度であるため、全ての実験を終了できるように取り組んだ。実験の実施、およびデータの精査まで終了出来たが、英文学術誌の受理までは至らなかった。このため、論文作成のための1年間の延長申請を行い、許可された。
|
今後の研究の推進方策 |
論文受理までの非公開を希望するため、1年間の延長申請が許可されたので、次年度は積極的に論文を作成し、受理されるように進める。
|