研究課題/領域番号 |
20K11541
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
上村 尚美 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60283800)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 糖尿病 / 免疫 / ミトコンドリア |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリアは、細胞内エネルギー代謝の中心であり、多様な役割によって健全な細胞維持に重要な役割を果たしている。特に、免疫細胞の活性化や分化の様々な局面において高度な役割を担っていることが最近明らかになっている。本研究課題では、糖尿病モデルマウスを用いて、各種免疫担当細胞における免疫応答時のミトコンドリア機能とエネルギー代謝を測定し、糖尿病に伴う免疫機能の低下の分子メカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
糖尿病では自然免疫や獲得免疫に変化が起こり易感染性となり重症化しやすいことが知られている。易感染性の原因としては、好中球や単球・マクロファージなどの食細胞の機能低下、細胞性免疫反応の低下が多く報告されているが、免疫機能の低下におけるミトコンドリアの役割は未だ不明な部分が多い。ミトコンドリアは酸素を利用してエネルギーを作り出す細胞内小器官であり、酸素を利用する際の副産物として活性酸素(ROS)を生じる。過剰なROSの産生は、老化や糖尿病、動脈硬化などの疾患の原因となっている。しかしながら、免疫細胞においては、ROSは免疫応答時のシグナル伝達物質(ROSシグナル)として重要な役割を果たすことが最近注目されている。さらに、ミトコンドリアは代謝の中心的な役割を果たしており、糖尿病における代謝異常にも深く関与していることが知られている。本研究課題では、糖尿病モデルマウスを用いて、各種免疫担当細胞における免疫応答時のミトコンドリア機能を測定し、糖尿病に伴う免疫機能の低下の分子メカニズムを明らかにすることを目標としている。当研究室にて開発した酸化ストレスモニタリング糖尿病マウスを用いて、全身の様々な臓器の酸化還元状態を解析したところ、脾臓やリンパ節が糖尿病モデルマウスにおいて最も変化していることが明らかとなった。そこで、免疫細胞にターゲットを絞り、免疫細胞の表面マーカーを染め分けることにより、各種免疫担当細胞における酸化還元状態を測定し、糖尿病モデルマウスにおいてはT細胞の酸化還元状態が最も大きく変化していることが明らかとなった。本研究では、T細胞のサブセット解析とミトコンドリア活性解析を組み合わせて糖尿病マウスの解析を実施した。そして、糖尿病モデルマウスでは、ミトコンドリアの活性が免疫細胞の中でもT細胞の活性化に重要であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度のうちに研究成果をまとめて学術論文にて公表する予定であったが、発表が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で得たデータをまとめて論文とし学術誌にて公表する。論文の構成を検討していく上で論文の結論を補強するようなデータを検討し、必要に応じて追加実験を行う。
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