研究課題/領域番号 |
20K11544
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 山形大学 (2022-2023) 立命館大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
桑原 厚和 山形大学, 地域教育文化学部, 客員教授 (60142890)
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研究分担者 |
加藤 郁夫 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (70509843)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 化学物質受容機構 / 腸内分泌細胞 / 腸管神経系 / 上皮イオン輸送 / 脳-腸軸 / 化学物質受容 / 脳腸ペプチド / 胆汁酸受容体 / Gut-Brain axis / 胆汁酸 / TGR5 / インクレチン / ホルモン / 消化管粘膜上皮 / 肥満 |
研究開始時の研究の概要 |
消化管管腔内には多くの化学物質が存在する。消化管には化学物質を感知し、有用なものは体内に有害なものは体外に排出するための化学物質受容機構が存在する。最近、この化学受容機構の破綻が、肥満や糖尿病などの代謝性疾患、心臓病、あるいは高次脳機能に影響することが明らかになりつつある。この化学物質受容機構は、まず、腸のセンサー細胞にある化学物質受容体や輸送体により感知され、その情報が内分泌系、免疫系及び神経系を介して脳へ情報が送られることで初めて機能する。本研究では、消化管粘膜上皮での化学物質受容機構を明らかにすることで、肥満等代謝性疾患や高次脳機能障害の予防法を確立するための基礎的な知見を提供したい。
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研究成果の概要 |
消化管には化学物質を認識する機構が存在する。本研究では、その認識機構を明らかにすることでメタボリックシンドロームや高次脳機能障害などの予防のための基礎的知見を提供した。本研究では、腸内細菌が産生する二次胆汁酸を化学物質として用い、免疫組織化学と電気生理学的手法により、化学物質認識機構の情報伝達経路について解析を行った。二次胆汁酸は、L型腸内分泌細胞に発現している二次胆汁酸受容体を刺激し、PYYを放出させた。放出されたPYYはVIP含有神経上に発現しているY2受容体を刺激し情報を中枢へ伝達していることを明らかにした。さらに、二次胆汁酸は局所的にイオン輸送を抑制することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、消化管に存在する生体にとり有用なものと有害なものとを区別するための化学物質受容の情報伝達機構の一端を示しており、外部環境に存在する化学物質をどのような機構で認識し、その情報をどのようにして中枢に伝えるのかといった基本的な知見を提出しており、学術的意義も高い。さらに、最近の研究ではこの受容機構の破綻が高次脳機能障害を含む各種疾患の成因の1つであるとの報告が多くなされているため、本研究の成果は肥満等を含むメタボリックシンドロームや高次脳機能障害などの予防のための基礎的な知見を提出するものであり、社会的にも意義ある研究であると考えられる。
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