研究課題/領域番号 |
20K11548
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
石塚 俊晶 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 薬理学, 教授 (30399117)
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研究分担者 |
佐藤 泰司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生化学, 教授 (10505267)
高橋 さやか (野村 さやか) 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 薬理学, 助教 (20791651)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高脂肪食 / ディスバイオシス / 脳内炎症 / 抑うつ様行動 / 認知機能低下 / 神経新生障害 / TNF / LPS / 脂肪炎症 / 認知機能障害 |
研究開始時の研究の概要 |
今回、我々は、ADモデルマウスの高脂肪食摂取が脂肪組織の炎症性変化や腸内細菌叢に与える影響、加えて、脳内ミクログリアの活性化、神経前駆細胞の機能低下および認知機能障害に与える影響を、各種解析法を用いて明らかにする。また、プロバイオティクスおよびTNF阻害薬の投与による脂肪炎症の抑制とディスバイオシスの改善が、脳内炎症、神経新生障害および認知機能障害に及ぼす効果を検討し、脂肪炎症やディスバイオシスが認知症発症に至る機序を解明し、新たな認知症治療の開発を目指したい。
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研究成果の概要 |
メタボリック・シンドロームや腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオシス)がアルツハイマー型認知症(AD)の発症に関連し、高脂肪食はディスバイオシスによるLPS産生と脂肪炎症によるTNF産生を誘導している。これより、脂肪炎症とディスバイオシスは相互修飾して脳内炎症を惹起しAD発症に関与していると考えられた。今回の結果より、高脂肪食摂取は炎症を惹起する腸内細菌の比率を上昇させて脳内炎症を亢進し認知機能低下や抑うつ様行動異常に至ること、分子状水素の投与が炎症を惹起する腸内細菌の比率を低下させるとともに脳内の炎症、酸化ストレス、アポトーシスを抑制し認知機能低下や抑うつ様行動を改善させている可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究により、高脂肪食摂取は老化促進マウスで炎症を惹起する腸内細菌の比率を上昇させ脳内炎症を亢進して認知機能低下や抑うつ様行動に至る機序が明らかになった。アルツハイマー型認知症での高脂肪食制限やプロバイオティクスの重要性への科学的理解につながる。また、分子状水素の投与が炎症を惹起する腸内細菌の比率を低下させて脳内の炎症や酸化ストレスを抑制し、認知機能低下や抑うつ様行動を改善させている可能性が示唆された。分子状水素は軽度認知症の患者に対して改善効果が報告されているが、ミクログリアの活性化、酸化ストレスの亢進および脳内炎症を抑制して認知機能低下を改善している機序が新たに明らかになった。
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