研究課題/領域番号 |
20K11549
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
松木 恒太 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (40586997)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | cholesterol efflux / insulin secretion / polyphenol / コレステロール搬出能 / ポリフェノール / インスリン分泌 / HDL |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病発症に大きく寄与する膵β細胞からのインスリン分泌低下と膵β細胞内のコレステロール恒常性破綻の関連が報告された。申請者はHDLによるコレステロール搬出(Efflux)に着目し、インスリン分泌とEffluxを促す食品成分の探索およびインスリン分泌とコレステロール恒常性に共通する分子メカニズムの解明を目指す。 本研究では効率的に有効な成分を同定できる独自の実験系を用いて、糖尿病発症を予防しうる新たな標的分子を同定する。本研究計画の達成は糖尿病予備軍や糖尿病患者が摂取すべき食品の提案や栄養指導の根拠を示し、健康長寿社会と医療費抑制の実現に貢献し、新たな創薬ターゲットの提案にもつながる。
|
研究成果の概要 |
MIN6細胞を用いて、インスリン分泌とコレステロール搬出を促進するポリフェノールの探索を行い、ケルセチンおよびその代謝物であるイソラムネチンがインスリン分泌促進作用およびコレステロール搬出を増強させる作用があることを見出した。 そのメカニズムとして、ABCA1およびABCG1の発現の増強によるものを考え、RT-PCR・Western blottingにより確認したところ、予想に反してケルセチン・イソラムネチンともにABCA1およびABCG1のmRNA発現を低下させるという結果が得られた。siRNAによる検討も行ったが、その関与を裏付ける結果は得られなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ABCA1およびABCG1の発現を増強することでインスリン分泌およびコレステロール搬出を促進するポリフェノールは確認できなかったが、イソラムネチンのインスリン分泌促進作用とコレステロール搬出の増強作用は他のポリフェノールに比較して強いものであり、膵β細胞の保護作用が期待されるポリフェノールとして有力な候補物質の一つであることを見出した。 本課題における研究結果を基盤として推進していくことで、糖尿病の発症予防につながる成果が得られることを期待している。今後は、ヒトでのHDL機能とインスリン分泌の関連について研究を展開することを計画している。
|