研究課題/領域番号 |
20K11585
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 兵庫医科大学 (2022-2023) 島根県立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
中山 真美 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60713188)
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研究分担者 |
中山 健太郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (70346401)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 癌代謝 / 糖新生 / セリン合成 / NAC1 / PEPCK2 / 卵巣癌 / 糖代謝 / 糖新生経路 / メタボローム解析 / 卵巣がん |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣癌は高い再発率と早期発見が困難なことから予後不良であり、新規治療薬の開発が急がれる。一方、癌の微小環境は低酸素・低栄養であり、癌細胞は自身の代謝機構をダイナミックに変化し増殖する。癌における代謝経路の異常は新たな治療法開発に直結する。その一つが糖新生経路の誘導であり、その中心的酵素がPEPCKである。申請者の先行研究で、PEPCKは卵巣癌で高発現している新規がん関連転写因子NAC1の下流遺伝子である可能性が示唆されている。本研究では卵巣がんにおけるPEPCK発現の意義および、NAC1によるPEPCKの発現制御、そしてNAC1-PEPCKを介したがん代謝制御機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
新規がん関連転写因子NAC1による卵巣癌の代謝経路制御機構を明らかにした研究である。 NAC1は、糖新生のキー酵素であるPEPCK2のプロモーター領域の認識DNA配列(CATGTXT)に直接結合し、CARM1をリクルートすることでその転写を正に制御することを明らかにした。さらに下流の代謝経路として、デノボのセリン合成経路を制御することを明らかにした。本経路は卵巣がん治療のターゲットとなり得る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、癌治療には様々な分子標的薬が使用されている。その多くは、癌細胞の分裂増殖や血管新生などをターゲットにしている。癌細胞においては、増殖アドバンテージを得るために栄養素代謝経路が変化している。代謝経路をターゲットにした抗がん剤は現時点で存在していないが、今後の新規抗がん剤として注目されている。本研究によりNAC1がPEPCK2を制御することで、癌細胞が効率よく解糖系を活性化すること、セリン合成系を正に制御しデノボセリン合成を活性化することで癌細胞を増殖させていることが明らかになった。外因性セリンを制限しながら本経路を抑制することが、有効な抗がん治療となりえることが明らかになった。
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