研究課題/領域番号 |
20K11608
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 長崎県立大学 |
研究代表者 |
駿河 和仁 長崎県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (70315852)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ビタミンA / 脂質代謝 / NAFLD / PPARα / LXR / 核内受容体 / PPAR / RXR / リガンド / β-カロテン / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / ベータカロテン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ビタミンA栄養状態の違いが脂質代謝変動やその異常の発症・進展に対してどのように影響するのかについて,おもに2つの視点から検討を行う。初めに,非アルコール性の脂肪肝や脂肪性肝炎に対する影響について検討するために,ビタミンA栄養状態の異なるラットの肝障害の発症・進展の相違について解析を行う。さらに,ビタミンAをリガンドとする核内受容体RXRとヘテロ二量体を形成し,多くの脂質代謝調節に関与する核内受容体PPARおよびLXRの機能がビタミンA栄養状態の違いによりどのような影響を受けるかについて,マウスや培養細胞をモデルに用いて解析を行う。
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研究成果の概要 |
ビタミンAはラットのNAFLDの発症・進展に抑制効果を示さなかったが、β-カロテンは炎症や肝線維化促進因子の遺伝子発現を抑制し、NAFLDの進展を抑制する効果が認められた。またNAFLDのラットでは、肝臓のビタミンA貯蔵能の低下および肝臓から他の組織へのビタミンA動員能の低下の両方が起こっていることが明らかとなった。 肝臓や空腸のPPARαおよびLXRの各標的遺伝子発現量は、ビタミンA欠乏状態においても各アゴニスト投与により増大を示した。このことから、PPARαおよびLXRの機能発現においてはRXRのリガンドとしてビタミンA由来の代謝産物以外の物質の存在が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最近の研究ではビタミンAの潜在的な不足が種々の脂質代謝異常の発症や進展に関与する可能性が報告されている。本研究結果ではNAFLDモデルラットにおいてビタミンAの投与がNAFLDの発症・進展に対して予防効果を示さなかったが、顕著な肝臓ビタミンA貯蔵能の低下および肝外へのビタミンA動員機能の低下が認められた。また、脂質代謝調節に関与する核内受容体PPARαやLXRの機能発現に対してもビタミンA栄養状態は影響しない可能性が示された。これらの結果は、これまで報告されている脂質代謝調節におけるビタミンAの関連性について一部再検討する必要性を提示するものである。
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