研究課題/領域番号 |
20K11622
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
中川 敏幸 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00271502)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / 小胞体ストレス / 統合的ストレス応答 / 海馬神経幹細胞 / ダブルコルチン / マイクロRNA / 長期肥満 / 海馬神経新生 / 機能性食品成分 / 機能性食品 / アポトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
わが国で激増する認知症患者では、肥満や糖尿病の病態である小胞体ストレスが発症の要因のひとつとして注目されている。しかし小胞体ストレスの制御機構の全容は未だ明らかでなく、小胞体ストレスを標的とした認知症発症予防法は確立されていない。 本研究では、1) アルツハイマー病モデルマウス海馬のCMAP解析を行い、運動効果を模倣する機能性食品を同定すること、2) 同定した機能性食品の小胞体ストレス制御における役割を明確化すること、3)モデルマウスの認知障害に対する機能性食品の効果を明らかにすることを目的とする。 この研究により、新たな認知症の発症予防および重症化遅延法の確立につながると期待される。
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研究成果の概要 |
急速に高齢化が進んでいる日本では、高齢化に伴う認知症の増加は喫緊な課題とされています。運動の習慣、肥満や糖尿病等の生活習慣病の予防、社会的孤立の解消等が、認知症発症を遅らせる可能性が示唆されていますが、科学的根拠となるエビデンスは不明のままです。 本研究では、アルツハイマー病および肥満モデルマウスを用い、肥満の長期化に伴い海馬において小胞体ストレス(注1)が活性化すること、認知機能に重要な海馬神経新生細胞に発現するダブルコルチン(注2)mRNAが小胞体ストレス誘導性マイクロRNA(注3)により分解されることを確認しました。本研究成果は、自然科学領域を対象とした国際誌に公開されました。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、長期肥満マウスの海馬において、小胞体ストレスの活性化を神経新生細胞に確認し、その神経細胞に特異的に発現するダブルコルチン陽性細胞の神経突起が長期肥満マウスにおいて短く、その発現が減少することを確認しました。さらに、小胞体ストレスにより誘導され、ダブルコルチンを標的とするマイクロRNAを同定しました。 今回の成果に基づき、「海馬神経新生-小胞体ストレスの活性化―マイクロRNAの発現-ダブルコルチンmRNAの分解」が潜在的に予防可能な認知症発症危険因子の病態の一つと考えられ、認知症発症の病態解明への一助になることが期待されることから学術的・社会的意義である。
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