研究課題/領域番号 |
20K11649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 青森県立保健大学 |
研究代表者 |
佐藤 伸 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (40310099)
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研究分担者 |
向井 友花 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (60331211)
山岡 伸 青森県立保健大学, 健康科学部, 実験・実習助手 (40830823)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 胎生期低栄養 / 植物ポリフェノール / 骨格筋 / 慢性炎症 / オートファジー / 妊娠期授乳期低栄養 / クルクミン / 肥満 / ポリフェノール / マクロファージ / 骨格筋萎縮 / 妊娠期低栄養 / エピジェネティックス |
研究開始時の研究の概要 |
サルコペニアは筋萎縮や筋肉の機能低下である。一方、胎生期の低栄養により児の骨格筋では慢性炎症が生じるという。また、ある種の植物ポリフェノール(PP)は、抗炎症作用の他、エピジェネティックな働きを有する。これまで、応募者は妊娠期に低蛋白食を与えた母ラットの授乳期にケルセチンを摂取させ、離乳後、高脂肪食を与えたところ、仔ラットの骨格筋で炎症細胞数が増加するという事実を見出した。そこで、発育初期に摂取するPPはエピジェネティックな働きを介して児の筋萎縮の制御に関与すると考えた。本研究の目的は胎生期に低栄養に曝された仔の発育初期に植物PPを与え、成長後の骨格筋の萎縮に及ぼす影響を検証することである。
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研究成果の概要 |
発育初期に摂取する植物ポリフェノール(PP)の生理機能を明らかにするために、妊娠期・授乳期に低栄養に曝された母ラットの授乳期にPP を与え、離乳後に高脂肪食を負荷した仔の骨格筋に及ぼす影響を検討した。授乳期にケルセチンを摂取し、離乳後に高脂肪食を負荷した仔の腓腹筋ではマクロファージ(Mφ)数や線維化関連サイトカインの発現量は増加した。オートファジー(ATG)の指標は減少した。一方、授乳期にクルクミンを摂取した仔の腓腹筋ではMφ数や線維化面積率は減少した。ATG指標は増加し、亢進することが示された。以上から、発育初期に摂取するPPの違いにより、骨格筋における生理機能は異なる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、妊娠期・授乳期に低栄養に曝された母ラットの授乳期に植物ポリフェノール(PP)を摂取させると、離乳後に高脂肪食負荷した仔ラットの骨格筋に及ぼす影響がPPの種類によって異なる可能性があることを示した点にある。例えば、乳児期にクルクミンを摂取した仔の腓腹筋では、成長後の高脂肪食負荷により生じる骨格筋における炎症や線維化を、オートファジーを介して軽減することを示した。本研究の結果は、発育初期に摂取するPPの種類によっては早期医療・早期介入とする「先制医療」を見据えた予防策に寄与する可能性がある。
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