研究課題/領域番号 |
20K11669
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柏原 賢二 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (70282514)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 公開鍵暗号理論 / 基底簡約アルゴリズム / 格子の最短ベクトル問題 / 並列計算 / 格子基底簡約 / 公開鍵暗号システム / sieveing / svp challenge / プロセス協調並列計算 / 基底簡約問題 / sieving / 並列計算アルゴリズム / 確率分布 / 効率的なアルゴリズム / 基底簡約 / 大規模並列計算 / 最短ベクトル問題 / 格子暗号 |
研究開始時の研究の概要 |
格子暗号は、量子アルゴリズムでも効率的な解法が見つかっていない次世代の暗号として注目されている公開鍵暗号方式である。格子暗号の安全性は、格子の最短ベクトル問題の求解の困難性の評価によって担保される。 この研究では、格子基底簡約に、sievingを組み合わせるという、近年注目を浴びているアプローチを用いて、最短ベクトル問題に対する効率的なアルゴリズムを構築を目指す。sieving は、 既知の格子ベクトルの組の和や差を考えることにより、短いベクトルを探す手法である。
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研究成果の概要 |
格子の最短ベクトル問題の基底簡約アルゴリズムについて研究した。格子の最短ベクトル問題は、公開鍵暗号システムの一つである格子暗号の安全性の基礎となる問題である。最短ベクトル問題とは、基底行列によって張られる格子内のベクトルの中で、最も短いベクトルを見つけ出す問題である。 基底を簡約するためには、多くの短い格子ベクトルの候補を生成し、その中から効率的に簡約を行うベクトルを選び出す作業を繰り返す。この研究では、どのように基底ベクトルを簡約していくと効率的に処理できるかを探求した。開発したプログラムを用いて、最短ベクトル問題のチャレンジサイトでランキングすることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の公開鍵暗号技術は、主に素因数分解や離散対数問題に基づいて安全性が設計されてきた。これらの技術は、現在のコンピュータ技術では解読が非常に困難であるため、高い安全性を誇っている。しかし、量子コンピュータの登場により、これらの公開鍵暗号技術が脅かされる可能性が出てきた。量子コンピュータに耐性のある新しい公開鍵暗号システムとして、格子暗号システムが研究されてきている。格子暗号システムは、数学の格子理論を基にしている。システムの安全性の評価には解読アルゴリズムの研究が欠かせない。 この研究では、プロセス並列計算を用いた、格子の最短ベクトル問題に対する効率的なアルゴリズムを開発した。
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