研究課題/領域番号 |
20K11673
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
浅野 哲夫 金沢大学, その他部局等, その他 (90113133)
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研究分担者 |
上原 隆平 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (00256471)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アルゴリズム / パス / 森 / 多項式時間 / 平面グラフ / 地図 / 輸送問題 / 線形計画法 / 充足可能性問題 / 最適化問題 / グラフ / NP完全 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究で考える輸送問題が輸送計画で代表的な最短経路問題と異なる点は,行き先が決まっていない輸送問題だという点である.具体的には,ある領域を多数の小領域に区切った上で,余剰物資のある領域から物資が不足している領域に輸送することにより物資の不足分を解消する.そのための物資の輸送には各領域に1台ずつ用意された車両を用いるが,車両は隣接領域間の往復だけに使われるという制約の下で考える.同様の問題に様々な場所に蓄えられた土を穴まで運んですべての穴を埋める最も経済的な運搬計画を求める問題があるが,土と穴が共に2次元平面の任意の場所にあり,しかも運搬の経路は自由である点が本研究で考える輸送問題と異なる.
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研究成果の概要 |
本研究では輸送問題の計算困難性問題を扱った.アルゴリズムの分野では,入力のサイズに対して多項式で表される時間内に問題が解けるとき,その問題は効率よく解けるという.本研究で扱った輸送問題は,グラフの節点に商品の供給量または需要量が指定されているとき,各節点に用意された車両を用いてすべての需要を満たせるかどうかを考える.車輛は隣の節点との往復しかできず,商品の量にも制約がある.このような設定で,グラフが高々1つのサイクルしか含まない単純な構造をしている場合,効率の良いアルゴリズムが存在することを示した.さらに,満たされない需要の最大値を最小化する問題も効率よく解けることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在,輸送業界は人手不足に起因する深刻な問題を抱えている.この問題を解決する一つの方法として,一人の運転手が長距離を輸送するのではなく,短距離だけ輸送するという方式への転換が必要であろう.その際,本研究で想定したようなモデルが考えられる.本研究ではサイクルを高々1つしか含まないグラフを考えたが,これを多数のサイクルを含むグラフに拡張できれば実用化も考えられる.そのための方法として,正確な解を求めるのではなく,最適解との誤差を定数倍以内に限定するような近似アルゴリズムを提案することが考えられる.これができればオペレーションズリサーチの分野でも大きな貢献となるであろう.
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