研究課題/領域番号 |
20K11684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60010:情報学基礎論関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
斎藤 明 日本大学, 文理学部, 教授 (90186924)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ハミルトンサイクル / サイクル / 次数和 / 辺着色 / 虹色禁止部分グラフ / グラフ / パス / 次数 / 禁止部分グラフ / 因子 |
研究開始時の研究の概要 |
グラフにハミルトンサイクルが存在するための既知の十分条件の多くは、その条件をわずかに満たさないグラフがハミルトンサイクルの存在に向けて臨界的状況にあることを捉えない。一方その条件を満たしたグラフは、単にハミルトンサイクルをもつだけでなく、サイクル分布に関する様々な強い性質を満たす。本研究はこのような一見不連続に見える変化を数値的に捉える不変量を発見し、その数値を通して変化の連続性を記述することを目指す。本研究を通して、「定性的な観察を定量的な観測に転換する」という自然科学の基本原則をグラフ理論に呼び込み、グラフ理論を一段進化させることを狙う。
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研究成果の概要 |
グラフにハミルトンサイクルが現れる予兆を数値的に捉える不変量を探った。2部グラフが一般のグラフよりも弱い次数和条件でハミルトンサイクルをもつことに着目し、一般のグラフGがGの次数和の半分程度の次数和をもつ全域部分2部グラフをもつことを証明した。これは古典的な結果であるOreの定理とMoon-Moserの定理の間に密接な関係があることを示している。 次に全域部分グラフの拡張概念として辺着色を調べた。グラフHとその部分グラフKについて、十分な色数で辺着色された虹色H-フリーグラフな完全グラフが虹色K-フリーとなるための必要十分条件は、Kがスター、Hがその1点細分であることを証明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ハミルトンサイクルは輸送網における効率的配送、符号の長周期巡回生成など幅広い応用をもつ一方、それ自体が多くの理論的興味を引く研究対象である。しかし一般のグラフにハミルトンサイクルの存在を問う問題はNP-完全問題である。こうした状況において、ハミルトンサイクル発生の予兆を数値的に捉えることは、理論、応用の両面において知見を深める。全域2部グラフの観点からこの問題にアプローチした本研究は、問題に新たな視点を与え、また本研究の成果はこの視点の有効性を示す。また全域部分グラフを辺着色へと一般化する発想も従来なかったものであり、辺着色の分野に新たな研究の場を切り開く。
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