研究課題/領域番号 |
20K11712
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60030:統計科学関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
兵頭 昌 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (00711764)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 高次元データ / 正規化変換 / 誤差限界 / 多重比較 / 多変量分散分析 / 歪度 / 漸近正規性 / 一致性 / エッジワース展開 |
研究開始時の研究の概要 |
高次元データ解析において、平均ベクトルの同等性検定のための検定統計量の近似分布として正規分布が利用される。高次元における検定理論では、このような正規近似が主流であり、次元が1,000~10,000程度であれば実用上十分な精度を有することが既に明らかにされている。一方で、次元が10~500程度(中程度)の場合は、高次元統計解析における検定統計量の実際の分布は、正規分布に比べて歪みをもつため正規近似の近似精度が極端に悪化するという問題がある。本研究では、検定統計量へ適当な変換を施すことで、標本分布の歪みを緩和させることを目的とする。
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研究実績の概要 |
研究課題(B)「多変量分散分析における検定統計量の近似分布を改良し、それを利用した検定を提案すること」および研究課題(C)「(A)で導出した結果を応用した多変量多重比較法を提案すること」に関して、新たにシミュレーションの結果を整備したのち、論文を推敲し学術誌への投稿を検討した。(D)「プロファイル分析に利用される検定統計量の近似分布を改良し、それを利用した検定を提案すること」については、(B)の研究成果を応用すれば、近似検定を構成することができた。具体的には、検定統計量の帰無仮説の下での漸近分布や局所対立仮説の下での漸近分布の導出は研究課題(B)の導出方針を踏襲し行った。これらの漸近的な結果の有限次元・有限標本におけるふるまいをモンテカルロシミュレーションによって確認した。ただし、(D)の研究成果は本質的には(B)に含まれるため、研究課題(B)の成果をまとめた論文へ加筆することを検討した。また、(E)「分散共分散行列の同等性検定に利用される検定統計量の近似分布を改良し、それを利用した検定を提案すること」については、昨年度のサーベイに基づいて、手法の提案、理論的な妥当性の証明を行った。具体的には、母集団へある種のファクターモデルを仮定した場合、等分散性の検定に用いられる従来のL2ノルム型の検定統計量が高次元において正規分布へ収束しない(重み付きカイ2乗分布へ収束する)ことを確認した。この漸近的な結果に基づく新たな近似検定を提案し、有限次元・有限標本における第1種の過誤確率や検出力を調べるためのシミュレーションを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究課題(B)「多変量分散分析における検定統計量の近似分布を改良し、それを利用した検定を提案すること」および研究課題(C)「(A)で導出した結果を応用した多変量多重比較法を提案すること」に関して、昨年度の研究成果をまとめて論文化し学術誌へ投稿する。(D)「プロファイル分析に利用される検定統計量の近似分布を改良し、それを利用した検定を提案すること」については、構成した近似検定の妥当性を理論的に証明し、シミュレーションによって有限次元・有限標本における挙動を確認する。また、(E)「分散共分散行列の同等性検定に利用される検定統計量の近似分布を改良し、それを利用した検定を提案すること」については、シミュレーション結果を纏めて、論文かを目指す。
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