研究課題/領域番号 |
20K11729
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60040:計算機システム関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
金子 敬一 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20194904)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 高信頼性システム / ディペンダブルコンピューティング / 高信頼システム / 耐故障経路選択 / トーラス / メッシュ |
研究開始時の研究の概要 |
超並列計算機は,数百万を超えるプロセッサをネットワークで結合し,プロセッサ同士が通信しつつ,協調して並列処理を行う.超並列計算機では,要素数が膨大なため,故障要素の存在を前提として運用することが不可欠である.超並列計算機の耐故障経路選択では,各非故障プロセッサが圧縮された故障情報を持つ手法が有効である.申請者らによる先行研究では,超並列計算機に対する相互結合網の代表的な位相であるトーラスに焦点を当て,高次元のトーラスにおいて高い性能を発揮する耐故障経路選択手法を提案した.本研究では,これをさらに改善して,低次元から高次元まで幅広い次元に対応して高性能を達成可能な手法とし,その性能を検証する.
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研究成果の概要 |
トーラスにおいて,あるノードが隣接ノードからメッセージを受け取ることを前提として,目的ノードまでの到達確率の推定を計算し,これを隣接ノードに通知することで,従来手法の欠点である袋小路への侵入を回避する手法を開発した.現在,この手法に基づくアルゴリズムを実現し,計算機実験を実施しており,その成果を発表予定である.また,トーラスやそこから派生する双射結合グラフ,バイキューブ,フォールディッドハイパーキューブ,メビウスキューブといった位相において,基礎的な性質を明らかにするとともに,素な経路選択アルゴリズムを含む耐故障アルゴリズムを開発することができた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トーラスにおける耐故障経路選択に関する先行研究では,2, 3次元の低次元において専用の耐故障経路選択手法が提案されており,ある程度の性能を示している.一方,超並列システムである「京」や「富岳」では,より高い6次元が採用されている.本研究では,高い次元のトーラスにも適用可能な制限された大域情報である有向到達確率を新たに設計して活用するアルゴリズムを開発した.その成果は,独創的かつ画期的である.トーラスは,超並列システムの相互結合網として非常に良く利用されている位相であるため,本研究による成果は,社会の情報インフラに対して大きなインパクトを与える.
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