研究課題/領域番号 |
20K11770
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
鶴 正人 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (40231443)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | SDN / P4 / 制御プレーン / マルチホップ無線ネットワーク / パケットスケジューリング / P4スイッチ / 無線ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
無線ネットワークにおいて、利用の拡大・多様化と通信量の爆発に対応するパケット中継転送処理の高度化が必要である。本研究では、無線センサネットワークを例として、(1) パケット中継転送での高度な処理をP4技術を用いて実現し、Mininetエミュレータと実験無線ネットワーク上で評価する。(2) それに必要となる制御プレーンもP4技術を用いて実現し、上記 (1) の具体例において評価する。これによりマルチホップ無線ネットワークの高度で動的な中継転送制御が汎用的なP4技術を用いて実現できることを示す。
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研究実績の概要 |
本研究では、当初(課題1)マルチホップ無線ネットワークのパケット中継転送に必要な高度化技術をデータプレーン・プログラミングのための最新SDN技術であるP4技術によってソフトウェアスイッチおよびSDNコントローラ上に実現・検証し、また(課題2)その際に必要となる局所・大域制御のための統一的制御プレーンを同じくP4技術によって実現し、課題1の具体例を通して検証することを目標とした。しかし、諸事情から大幅な計画見直しを行い、課題1ではマルチホップ無線ネットワークのパケットスケジューリングのP4技術による実装は諦めてシミュレーション評価までとし、課題2での統一的制御プレーンのP4技術による実装に注力することとした。 2022年度は、課題1では、手法としての実用性を高めるための各中継ノードにおけるバッファリング導入を設計し、単位時間当たりのパケット生成数の変動時にパケット到達率と到達遅延時間のトレードオフを制御できることをシミュレーションによって検証した。一方、課題2では、動的in-band制御チャネルの設計を進め、一部機能の標準P4ソフトウェアスイッチ(bmv2 on Linux)上の試作の性能分析を実施して2件の外部発表を行うと共に、高速P4ソフトウェアスイッチ(t4p4s on DPDK/Linux)を用いた実験を進めた。 さらに、NICTのP4テストベッド (https://testbed.nict.go.jp/p4/) においてP4ハードウェアスイッチ(Edgecore社 Wedge 100BF-32X)を2台借りて利用するために必要なネットワーク接続やライセンス契約等の利用環境整備を進め、利用を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
複数のP4ソフトウェアスイッチを使った実験を進め、P4に関するノウハウを蓄積し、NICTのP4テストベッドのP4ハードウェアスイッチを使った実験の準備もできた。一方、計画では研究室でもP4ハードウェアスイッチ(APS社 APS2112D-A-AF、国内販売代理店マクニカ)を購入してNICTのP4テストベッドと接続したネットワークを構成してin-band制御プレーンの実験を行う予定であったが、P4ハードウェアスイッチの購入が予約待ち状態であることがわかり(最新情報では2023年11月)、計画の再見直しが必要となったため。
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今後の研究の推進方策 |
1年間の補助事業期間延長を行った。In-band制御プレーンの方式とその実装に関して、性能的評価はNICTのP4テストベッドのP4ハードウェアスイッチを利用して行い、機能的評価は同テストベッドと研究室内のP4ソフトウェアスイッチを接続して台数を増やして行うことで、汎用性を考慮したin-band制御プレーンのP4技術による実装・検証・評価という目標を達成する。
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