研究課題/領域番号 |
20K11770
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
鶴 正人 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (40231443)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | P4 / SDN / マルチホップ無線ネットワーク / パケットスケジューリング |
研究実績の概要 |
本研究では、(課題1)マルチホップ無線ネットワークのパケット中継転送に必要な高度化技術をデータプレーン・プログラミングのための最新SDN技術であるP4技術によってソフトウェアスイッチおよびSDNコントローラ上に実現・検証し、また(課題2)その際に必要となる局所・大域制御のための統一的制御プレーンを、同様にP4技術によって実現し、課題1の具体例を通した検証を進めている。 2020年度は、課題共通で、P4対応ソフトウェアスイッチ(BMv2)を、Mininetエミュレータ上の仮想実験環境とスイッチ用PCを用いる実無線実験環境の両方で構築し、P4技術の経験を蓄積した。 課題1では、基本の直列トポロジー上のパケット転送スケジューリングを各ノードのデータ生成レートが不均一な場合に拡張し、また、トポロジーをY字型に拡張した。これにより、今後の複数木構造のマルチホップ無線ネットワークへの拡張に目途が立った。さらに、P4技術によってスイッチにおける早期パケット廃棄手法を実装し、エンドツーエンドの遅延時間に制約があるフローの実効ロス率の改善を確認した。これにより、P4技術を使ったパケット処理に関する知見を得た。 一方、課題2では、ネットワークの各リンクの状態をアクティブ計測によって効率よく推定し品質劣化リンクを同定する技術に関して、より効率の良い計測経路を生成する手法を開発した。これにより、ネットワークの動的制御の前提となるリンク状態の常時把握に関する知見を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題共通でP4対応ソフトウェアスイッチの実験環境の構築に成功し、P4技術の経験を蓄積できた。さらに各課題において、基本方式を検討し、評価できたため。
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度に構築したP4対応ソフトウェアスイッチの実験環境を拡張し、無線を含む実験が可能な環境を構築すると共に、各課題の要素技術の研究開発を計画に沿って進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の影響で研究会や国際会議がすべてオンラインとなり、旅費が発生しなかったと共に、国際会議参加費も安価になったため。
|