研究課題/領域番号 |
20K11873
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61010:知覚情報処理関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
岩堀 祐之 中部大学, 工学部, 教授 (60203402)
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研究分担者 |
舟橋 健司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303694)
福井 真二 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80345941)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | コンピュータビジョン / 医用画像認識 / ポリープ形状 / 血管構造 / CT画像 / リンパ節 / 細胞画像 / ディープラーニングモデル / CNN / 内視鏡画像 / 細胞画像・CT画像 / 3次元形状 / 検出・良性悪性分類 / ディープラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
医療現場では胃がんや大腸がんの診断をはじめポリープの発見、切除など、内視鏡専門医の経験に基づいて、内視鏡画像から病変の大きさや位置を形状とともに判断しながら診断を行っている。本研究では、内視鏡画像・細胞画像・CT画像から精度よくポリープ・細胞・リンパ節の検出・分類を行う手法について研究を行う。内視鏡では血管情報を利用した手法として今後さらに形状復元に用いる血管の部位特定、それをもとに3次元形状と絶対的な大きさ推定の精度を高める研究のほか、平坦型ポリープの検出・分類問題について研究を行う。細胞画像,CT画像についてもこれまで培ってきた研究を応用して検出・分類精度の改善に向けて研究を行う。
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研究実績の概要 |
1枚の内視鏡画像をもとに拡散反射画像化(ランバート化)した画像から反射係数Cを求めて絶対的な大きさと形状を求める研究においては、血管をこれまで血管が水平面に沿っているところを前提としていたが、血管が内壁に沿って傾斜している場合にも水平面での状態に血管部分を3次元回転により変換する処理を行う方法を開発した。さらに血管の検出自体の精度を改善するために、Pyramid Vision Transformerにより血管検出精度を改善するとともに、血管のどの部分を用いるかという問題に対して、血管の幅を自動抽出し、最も幅の大きい幹になる部分を用いてポリープの直径の大きさ推定をする方法を研究した。ほか、ポリープの相対的デプスマップとともにポリープの大きさを自動分類する方法として4種類の大きさにポリープを分類する手法を検討した。 またリンパ節の検出・分類においては、U-Net++のUpsamplingにおいて双1次補間による高解像度効果とともに、分散の合計を最小化するためTotal Generalized Variation(TGV)に基づくノイズ除去手法により、リンパ節の検出精度を向上させる方法を研究した。またリンパ節を高精度に検出するための条件として、擬陽性をへらすために高いSensitivityを実験的に得る条件を得るためのResidual構造の学習と3D-CNNを用いた修正U-Netモデルを研究し、発表した。 細胞研究においては、WSI(Whole Slide Image)から腎臓細胞の糸球体を精度よくセグメンテーションするU-Netベースの手法を検討し、比較的少ない画像枚数で効率よく糸球体を検出するモデルとしてMLP-UNet(Multi-Layer Perceptron U-Net)としてMLP-Mixerのエンコーダを取り入れたモデルを検討、評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の目的に基づいて検討を行いながら、必要に応じて独自性を重視する研究を遂行しており、得られた知見や結果に対する論文投稿ならびに研究発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
ポリープの検出と分類の研究ならびにポリープの3次元形状と大きさの研究について相当のことを研究してきたが、今後分類精度改善に役立てるには、画像の超解像化と対象の3次元情報を加えることで性能改善が可能であるかを示していく予定である。これまでの多くの研究が3次元情報を復元する際に奥行分布(デプスマップ)がいわゆる相対的な情報であることと、ポリープのサイズにおいても1cm未満か以上かといった2クラス分類が多く、多クラス分類でどこまでいけるかといった問題やサイズの直接的推定を行う方法が課題である。また血管を用いてポリープの形状復元を行う方法をさらに別のリファレンス物体を用いて検討する予定である。白色光源画像のみならずNBIから同様に形状復元を行う方法も検討している。リンパ節についてもがん転移のあるなしの分類問題ほか、付加情報による分類性能向上を検討している。併せて内視鏡画像やリンパ節の研究は医療現場でも検証をしながら進める予定である。
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