研究課題/領域番号 |
20K12049
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
長島 文夫 杏林大学, 医学部, 教授 (70348209)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 生体情報 / ウェアラブルデバイス / 高齢者 / がん薬物療法 / 高齢者のがん診療 |
研究開始時の研究の概要 |
日本人死亡原因一位の悪性腫瘍において、生体情報(活動量や心拍数など)をウェアラブルデバイスにより継続して採録し医療に反映する研究は乏しい。そこで、生体情報を継続的に収集し、家族・地域・医療施設等と共有し、効率的な医療を展開することを目指す。本研究では、高齢のがん薬物療法患者に対して、IT機器操作に不慣れな患者であっても利用が可能なウェアラブルデバイスシステムを用いて生体情報を採録し、従来の診察や評価法(高齢者機能評価など)に加え、経時的な生体情報データを加味して、最適な介入法の開発提案を行う。
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研究実績の概要 |
2021年度までに得られた研究成果から、臨床現場でリアルタイム生体情報を活用し、訪問診療医との連携共有する仕組みを構築して、新たな臨床試験を準備・開始する予定であったが、新型コロナ感染症の拡大により、一般診療への負担が大きくなり、当初予定した臨床試験という方法は変更することとした。一方で、訪問診療やオンライン診療の在り方が活発に議論されるようになり、2022年度は、オンライン診療を含めたヘルスケア事業を手掛けている企業(AP TECH株式会社)が進める岩手県八幡平市における行政と連携したプロジェクトとも情報共有を行った。同社に所属する医師、救急救命士が直接医療現場のニーズを把握しながら必要な医療連携の仕組み構築を進めており、がん患者の診療にフィードバックすべき点を共有した。 また、アプリ開発担当者とも相談を行い、簡便なセンサーによるバイタルサインの取得と共有化を可能とする仕組みを準備した。新型コロナ感染症を経験し、パンデミックや自然災害時には、平時と比べて大きな負荷がかかることをあらためて認識することとなり、平時の対応をより現実的に対応できるよう、さらには災害時の慢性疾患医療の対応として、行政や地域間医療連携も視野に入れる必要があり、厚生労働省担当者、災害医療の専門家とも相談を行った。ウェアラブルデバイスのみの対応にとどまらず、総合的なシステムを再構築するために、工学系の視点を盛り込むことを念頭に、医工連携の専門家とも協議を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度も、新型コロナ感染症による診療の影響、負担は依然として大きく、より効果的なシステムの在り方について関係者と議論を行った。当初予定していた、あらたな臨床試験は行わず、ヘルスケア会社やアプリ開発業者と連携し、簡便なバイタルサイン取得システムの開発を進め、がん診療等の慢性疾患の災害時対応についても視野に含めて準備を進めた。また、今後はあらたなシーズ探索とそれを含めたシステムの再構築も重要と考え、東北大学医工連携研究科と情報を共有した。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症の影響で、既存の医療システムは大きな影響を受け、救急医療だけでなく、慢性疾患診療においてもその対応に大きな負荷がかかることとなった。高齢者のがん診療という慢性疾患診療において、効率的な臨床情報の取得とその有効活用については、ウェアラブルデバイスだけでなく、患者背景を含んだ多様な視点に配慮したシステムの構築、普及実装が必要であることを再認識することとなった。工学系の視点を盛り込んだ医工連携の専門家の意見も取り入れて開発を進める。
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