研究課題/領域番号 |
20K12066
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
諏訪部 章 岩手医科大学, 医学部, 教授 (20241713)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 呼吸機能検査 / 人工知能 / 臨床検査技師 / 新型コロナウイルス感染症 / スパイロメトリー |
研究開始時の研究の概要 |
病院の院内検査室における生理機能検査は、基本的に臨床検査技師(以下技師)が患者に1対1で対応するため人手と時間がかかり、かつ熟練した技師を配置する必要がある。本研究では、生理機能検査室の効率化の一環として、呼吸機能検査(スパイログラム)をビデオと音声のアシスト下で患者自身が自分で行う自動呼吸機能検査システム(オートスパイロ)を構築することを目的とする。令和2年度では、健常ボランティアで仮システムの操作性を検証する。令和3年度以降は、当院の中央臨床検査部の呼吸機能検査室に訪れる患者に対して本システムによる呼吸機能検査を実施する。令和4年度までに完成品を目指す。
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研究実績の概要 |
病院の院内検査室における生理機能検査は、基本的に臨床検査技師(以下技師)が患者に1対1で対応するため人手と時間がかかり、かつ熟練した技師を配置する必要があることから、検査部運営の効率化にとって大きな障害となっていた。さらに、2020年から全世界で新型コロナウイルス感染症が蔓延し、潜在的なコロナ陽性患者が呼出努力を伴う呼吸機能検査を行うことで検査担当の技師が感染のリスクに曝されるという問題が生じてきた。本研究では、生理機能検査室の効率化と技師を新型コロナウイルス感染症から守ることを目的として、呼吸機能検査(スパイログラム)の操作をビデオと音声のアシスト下で患者自身が自分で行う自動呼吸機能検査システム(オートスパイロ)を構築することである。令和2年度に、「人工知能装備型自動呼吸機能検査システム(オートスパイロ)の開発」の前段階として、患者に呼吸機能検査の説明と検査の指示を行うAI搭載ロボット(ユニボ)の試作機を開発した。それを用いた臨床研究実施の承認が、令和3年4月26日に当大学医学部倫理委員会より下りた(MH2020-001)。令和3年10月21日より、当院附属内丸メディカルセンターの人間ドックの受診者で同意が得られた方にユニボによる呼吸機能検査を実施し、令和4年6月末で予定の50症例を蓄積することができた。その研究成果は、令和4年11月に宇都宮で開催された第69回日本臨床検査医学会学術集会で発表された。その発表で、①今回用いたスパイログラムの機器の操作画面が見にくい、②ユニボの説明で一部わかりにくい点があるなどの問題が指摘され、当初の3年間での研究計画を1年延長し、①より見やすいスパイログラムを購入し、②より分かりやすい説明内容とするためにプログラムの改良を行うことになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度内に50症例の集積を完了した。しかし、研究成果をまとめる過程で、①今回用いたスパイログラムの機器の操作画面が見にくい、②ユニボの説明で一部わかりにくい点があるなどの問題が指摘されたために、当初の3年間での研究計画を1年延長し、機器の更新やプログラム改良を行うことになった。倫理審査委員会には研究計画書の変更を申請し、実施許可が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年6月で目標50症例を達成し研究成果をまとめ発表した。その結果、肺活量(VC)は問題ないが、努力肺活量(FVC)の呼出努力が引き出せないという問題が生じ、ユニボの説明内容をバージョンアップし、さらに呼吸器疾患患者に対象を広げる予定である。
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