研究課題/領域番号 |
20K12161
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 九州大学 (2022) 京都大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
勝木 陽子 九州大学, 薬学研究院, 助教 (00645377)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ファンコニ貧血経路 / SLX4 / ユビキチン化 / BioID / フォーカス形成 / DNA修復 / ICL修復 / ICL repair / FA pathway / Ubiquitination |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質のユビキチン化システムは、ゲノム損傷修復において分子の損傷部位移行シグナルとしてはたらく。SLX4はユビキチン結合ドメインを有し、ポリユビキチン鎖に結合することで、クロスリンク損傷部位に集積し修復に寄与する。このドメインの欠失を伴うSLX4遺伝子変異は、小児の遺伝病ファンコニ貧血をひきおこすことが知られている。本研究では、タンパク質間相互作用が不安定で、通常のアフィニティ精製による結合因子の同定が困難なケースで有効な、近位依存性ビオチン標識法(BioID)等を用い、SLX4の損傷集積に必須のユビキチン化経路を同定し、造血幹細胞の維持にはたらく未解明の分子機構をあきらかにする。
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研究成果の概要 |
DNA修復因子SLX4はファンコニ貧血の原因遺伝子産物の一つで、ユビキチン結合(UBZ4)ドメインを介してDNA損傷部位に局在することで、DNAクロスリンク修復に寄与すると考えられている。我々は先行研究で、SLX4のN末フラグメントを用いて、その局在を制御するE3リガーゼRNF168を同定した。本研究では近位依存性ビオチン標識法(BioID)を用いて、SLX4-N結合因子の探索を行った結果、いくつかのクロマチンリモデリング複合体因子が検出された。本研究の結果から、これまであまり知られていなかった、SLX4局在とICL修復へのクロマチンリモデリングの関与の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでICL修復におけるクロマチン構造変換の重要性についてはあまり研究が進んでいなかった。DNAクロスリンク(ICL)修復の分子基盤の研究においては、アフリカツメガエルを用いたCell free システムを材料とした解析が最も進んでいるが、巨大なゲノムDNAと複雑に制御されたクロマチン高次構造を持つ哺乳類の複製ストレス応答にはクロマチン構造変換が必須であることが考えられる。本研究をさらに詳細に解析することで、ヒト細胞におけるICL修復の全体像の一端を明らかにすることができると考えられる。
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