研究課題/領域番号 |
20K12162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
小林 純也 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (30301302)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ストレス応答 / 酸化ストレス / 脳神経変性 / ATM / MRE11 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線高感受性遺伝病A-TとATLDでは、その原因遺伝子ATM, MRE11が放射線誘発DNA損傷応答に重要な機能を持つことが明らかとなってきているが、これら遺伝病患者が示す進行性小脳失調症の発症機構はいまだ明らかとなっていない。その発症メカニズムに迫るために、近年これら遺伝子の役割が明らかにされつつある細胞質内ストレス応答経路(酸化ストレス応答・細胞質性dsDNA応答)におけるATMとMRE11の役割・機能的相互作用を脳神経幹細胞・血管内皮細胞を用いて明らかにする。さらに応答時のATM, MRE11との結合因子をプロテオミクス解析で同定、機能解明し、進行性小脳失調の発症機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
放射線高感受性遺伝病A-TとATLDの原因遺伝子ATM, MRE11の細胞質内ストレス応答経路に役割・機能的相互作用をヒト正常線維芽細胞、血管内皮細胞、を用いて明らかにすることを目的とし研究を行った。その結果、血管内皮細胞では低線量率放射線照射依存的に微小核を形成し、その機構に関与するタンパク質群をDIAプロテオミクス解析で明らかとした。また、同様なDIA解析で32個の顕著に発現増加するのタンパク質を同定し、その中でSOS2, DR-6, MEKK4はミトコンドリア性ストレスに依存して継続的に増加することを明らかにし、低線量率照射時の生体影響マーカーに適用しうる可能性を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、微小核形成は炎症関連因子の分泌機構を活性化し、周辺細胞へ炎症反応を拡大させる可能性が示唆されているが、血管内皮細胞において低線量率放射線照射特異的に微小核形成が誘導されること、またその機構に関与する因子群を明らかにしたことは、今後低線量率放射線被ばく時の血管・循環器系での影響拡大の可能性を検討する上で重要な鍵になると考えられる。また、血管内皮細胞は循環器疾患研究のモデルとなっているが、プロテオミクス解析から低線量率放射線特異的に増加する因子群は低線量率放射線による循環器系疾患の可能性を評価する有力なマーカーとして、将来的に利用できる可能性が考えられる。
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