研究課題/領域番号 |
20K12216
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
橋本 洋平 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80436899)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 土壌汚染 / 熱処理 / 重金属 |
研究開始時の研究の概要 |
土壌汚染対策の一つである熱処理は、複合汚染に対応可能で、除染と浄化後の土のリサイクルの両立を実現する数少ない技術である。このような優れた特性にも関わらず、熱処理は重金属に対する「効果の不確実性」と、処理後の土の「特性に関する情報の欠如」が要因となって、適用できる重金属の種類や、処理土の用途が極端に限定されている。本研究では、熱処理温度と重金属の溶出・揮発の機構を化学形態の観点から明らかにし、様々な土壌に対して、熱処理温度が土の力学・化学特性に及ぼす影響を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では、熱処理による土壌からの鉛の溶出・揮発の仕組みを、モデル土壌と実汚染土壌を用いて、化学形態の観点から検証した。土壌中に普遍的に存在する酸化物であるフェリハイドライトに吸着した鉛の化学形態は、300oC付近で変化が見られ、酸化鉛(PbO)への変化が確認された。鉛を含む実汚染土壌を用いて、100から900oCの熱処理を適用し、鉛の溶解性や化学形態を明らかにした。処理温度900oC では、鉛の溶出が未処理土壌と比較して90%程度低下することが分かった。熱処理温度が900oCの高温になると、土壌のアルミナケイ酸塩鉱物が融解し、鉛が取り込まれて不溶性の化合物を形成することも確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鉛を含む土壌を900oCで処理すると、鉛の溶出が未処理土壌と比較して90%程度低下することが分かった。熱処理温度が900oCの高温になると、土壌のアルミナケイ酸塩鉱物が融解し、鉛が取り込まれて不溶性の化合物を形成することも確認された。現状では主として水銀に適用されている土壌汚染の熱処理対策は、条件によっては鉛にも適用できる可能性があること、ならびに他の重金属類の処理においても研究を進めることによって汎用性が拡張できる可能性が示された。
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