研究課題/領域番号 |
20K12234
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
和嶋 隆昌 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (00380808)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 硫黄担持炭 / バイオマス廃棄物 / リサイクル / 貴金属回収 / 還元析出 / 吸着 / 貴金属還元 |
研究開始時の研究の概要 |
資源に乏しい我が国において貴金属のリサイクルは重要であり、廃棄物中の貴金属を他元素と効率的に分離する必要がある。申請者は、炭化物表面に硫黄を担持することで、従来の活性炭に比べて高い金属イオン吸着能をもつ硫黄担持炭が作成できることを明らかにしてきた。一連の研究を進める過程において、強塩酸溶液中の貴金属が硫黄担持炭表面で選択的に還元析出する現象を見出している。このことから申請者は、硫黄担持炭を利用することで強酸性溶液に溶解した貴金属を選択的に回収できるのではないかと考えた。そこで本研究では、硫黄担持炭表面における硫黄形態、貴金属イオンの吸着・還元挙動を検討し、その反応メカニズムを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究では、日本に豊富に存在するバイオマス資源である竹紛から硫黄担持炭を調製し強酸性溶液からの貴金属回収における特異な貴金属吸着還元能を明らかにする。竹紛をNa2S溶液に浸漬し800℃で熱分解することで多孔質・高比表面積で硫黄を含む硫黄担持炭を調製した。強酸性溶液中のAuとPdは硫黄担持炭の表面に迅速に金属析出し、反応時間の経過とともに金属粒子は成長した。高濃度の共存金属を含む廃電子機器模擬廃液中の貴金属を選択的に回収できた。金を回収した硫黄担持炭は太陽光熱変換材料として利用可能であった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義として、バイオマスに硫黄を導入した硫黄担持炭における強酸性溶液中の貴金属の吸着・還元に関する新たな反応特性が示されたこと、貴金属ナノ粒子や貴金属担持触媒の創製などにも応用が可能であること、が挙げられる。これらは、硫黄に関する材料の生成や特性、その利用に関する新たな知見となる。社会的意義として、これらは我が国における廃棄物からの貴金属回収による循環型社会の形成に寄与でき、海外の鉱山における貴金属の回収率向上にもつながり、我が国の資源の安定確保とともに国際的な資源の安全保障につながると期待できる。
|