研究課題/領域番号 |
20K12238
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
後藤 康夫 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (60262698)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | セルロース / 溶液紡糸 / イオン液体 / 高速化 / エアギャップ / 再生繊維 / 高速紡糸 |
研究開始時の研究の概要 |
セルロースは、生分解性や高強度を有する極めて有力なバイオポリマーであり、その利用促進はSDGsや安全安心社会の実現に大きく寄与する。本研究では、セルロースを溶解させた溶液より作製される再生繊維の生産速度を画期的に向上させ(従来の10倍)、セルロース利用を大幅に加速化させるための新しい繊維化技術を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
イオン液体 (IL) を溶媒とするセルロース溶液を用いた乾湿式紡糸において、紡糸線が凝固剤から受ける抵抗を低減することにより、セルロース再生繊維の高速紡糸化を試みた。イミダゾリウム系ILを選定し、微細な水霧を凝固に利用することで凝固剤による抵抗を大幅に抑制し、さらに種々の紡糸条件(ノズル形状、セルロースの分子量や濃度、紡糸液温度等)を精査することで、紡糸速度1000m/minを超えるセルロースの再生繊維化に成功した。また紡糸の安定化および高速化には、エアギャップの温湿度の制御が極めて重要であることを把握した。本検討で得られた知見は、セルロース再生繊維の生産性向上の大きな足掛かりとなる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義としては、高速紡糸化に必須の優れた曳糸性・紡糸性を示すセルロース溶液の特徴ならびに紡糸条件を明確化し、狙い通りに高速紡糸を達成できたことが挙げられる。 社会的意義としては、セルロース再生繊維の大幅な紡糸速度向上を実現できたことから、ビスコース法からリヨセル法への置き換えにより有害物質排出量や製造時エネルギーの削減が期待される点が挙げられる。またセルロース繊維材料の利用拡大に繋がれば、繊維系マイクロプラスチック排出問題やカーボンニュートラル社会構築に係る課題を解決する一助となる技術になると考えられる。
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