研究課題/領域番号 |
20K12255
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
笠原 里恵 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (80791821)
|
研究分担者 |
榮村 奈緒子 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 助教 (10762114)
東 信行 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (40262977)
森本 元 公益財団法人山階鳥類研究所, 自然誌研究室, 研究員 (60468717)
西海 功 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (90290866)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 季節移動 / イカルチドリ / 河川 / 内陸河川 / シギ・チドリ類 / 遺伝的構造 / 渡り経路 / 生息地の連結性 / 遺伝的集団構造 |
研究開始時の研究の概要 |
従来、河川管理や自然再生は地域特有の生物を指標として、基本的には河川単位で行われてきた。河川の砂礫地に依存し、減少が懸念されるシギ・チドリ類はしばしば砂礫地再生の指標種とされるが、季節的に地域移動を行う鳥類の個体数維持や保全には、複数の河川や地域を含めた大きなスケールでの鳥たちの移動範囲、すなわち河川の連結性を考慮した自然再生や保全が重要となる。現状、シギ・チドリ類の国内の移動状況や地域集団の交流は殆どわかっていない。本研究では、砂礫地の代表種であるイソシギとイカルチドリを対象に、GPSによる季節移動の追跡と遺伝子による集団構造解析の両方から、鳥たちの目を通した日本の河川の連結性を検討する。
|
研究成果の概要 |
河川の砂礫地に営巣するシギ・チドリ類などの鳥類の生息環境の維持と河川管理の両立には、種の季節的、広域的な移動範囲への理解が必要である。本研究では砂礫地で繁殖するイカルチドリに着目し、国内の複数の繁殖集団でGPSロガーを用いた個体追跡と、集団間の遺伝的関係を検討した。 個体追跡から、本州北部の繁殖集団には、関東や中部地方に南下して越冬する個体がいること、移動の有無に関わらず、年間を通して河川が主要な利用環境であることが明らかになり、より広域的なスケールでの河川の自然再生が重要であると考えられた。集団間の遺伝的関係は個体追跡の結果を部分的に支持するものの、今後より詳細な分析が必要である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
河川の砂礫地に生息する鳥類のシギ・チドリ類は、河川環境の指標種として重要視されてきた。鳥類は広域を移動するため、従来行われてきた河川単位の自然再生と同時に、河川の連結性を考慮した広域的なスケールでの自然再生や保全が重要である。本研究は、河川で繁殖するイカルチドリを対象にGPSロガーによる個体追跡を行い、本州北部の繁殖集団では、本州中部まで南下して越冬する個体がいること、年間を通して相対的に河川環境に依存している可能性が高いことなどを明らかにすることができた。個体間の交流の可能性は遺伝子解析からも示唆され、本種において考慮されるべき河川の連結性やスケールの一部を示すことができた。
|