研究課題/領域番号 |
20K12406
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 札幌国際大学 |
研究代表者 |
千葉 里美 札幌国際大学, 観光学部, 教授 (80635243)
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研究分担者 |
曽我 聡起 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (30279476)
川名 典人 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (50295929)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 観光MaaS / データ統合 / サービスデザイン / 観光情報 / 最適化 / 利用意向 / 地方 / 小型モビリティ / MaaS / 産学官連携 / モックアップ / 観光情報発信手法 / MR / 観光行動 / 5G |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、挑戦的萌芽研究【課題番号15K12801】(平成15-18年度)の研究分担者として共同研究してきた拡張現実AR(Augmented Reality)、仮想現実VR(Virtual Reality)など高度な観光情報発信と観光行動に関する研究成果を基盤に、Kevin Kellyが唱えるバーチャルとフィジカルが結合する情報を融合させた複合現実MR(Mix Reality)による体感型観光情報発信手法研究と、視聴した受け手側の観光地へのサービス移動MaaS(Mobility as a Service)という概念に基づく移動手段との融合、すなわち次世代型観光情報発信と移動に関する研究である。
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研究実績の概要 |
2022年度は、地方版観光MaaS構築に向けた観光デザインに向け以下3つのことを実施した。 1つ目は、小型モビリティとして電動キックボードが地方の観光地においてどのような可能性があるか検証した。これに関しては、2050年カーボンニュートラル実現に向けゼロカーボンパーク推進を掲げる支笏洞爺国立公園支笏湖エリアをフィールドに、自然を売り物とする国立公園において、電動自転車など小型モビリティの一つとして電動キックボードが地域特性と合致するか、また単なる移動手段だけでなく観光移動促進や観光振興に繋がる利用が可能か同エリアで既存の移動サービスである電動自転車と比較した意向調査を実施した。その結果、先行研究より明らかとなっている都心での交通補完としての短距離利用とは全く違い国立公園のようなエリアでは1回の利用が3.0-7.5kmと長距離利用意向であること、かつそこには電動自転車よりも楽しさや快適性を強く持つ特性が明らかになった。また単なる道路での移動だけでなく、キャンプ場などの大型屋外施設内の移動や観光スポットを巡るツアーなどへの利用意向も見られた。またこの移動特性と地域の整備計画とを連携することで、観光客は地域のアイデンティティを理解する相乗効果にも繋がることがわかった。 2つ目は、文献や現地情報を中心に昨年度まとめたフィンランドの観光MaaSサービスデザインをもとに観光MaaSのモックアップとこの取り組みを地元の方にイメージができるような絵コンテを作成し共有した。 3つ目は、観光MaaSで期待するエリア内での回遊性と地域の経済効果を検証するため、筆者らがデザインする移動サービスと同時に個人の思考に合わせた地域情報(食、体験、文化、イベントなど)配信を最適化を検証した。その結果、筆者らが制作した観光MaaSを利用することで、今の旅行形態より滞在時間が長くなり、経済効果につながることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進捗状況としては、昨年度の研究成果を反映したモックアップの構築、それを活用した仮説に向けた検証ができたことから概ね研修順調に推移していると言える。また、その成果をセミナーでは新できたことも意義があると考える。 一方、MaaSの情報統合がgoogleで一気に進み、地域の情報配信のあり方やアプリとの統合方法や最適化に課題が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を進める上でMaaS先進地フィンランドの視察等は重要な基盤となるが、コロナの影響でじつげかできていない。今年度はいよいよ海外視察が可能となっていることから、ヘルシンキで実施しているMaaSが観光客にとってどう利用されているか、またヘルシンキの観光政策と足並みをそろえて実施している中国人のインバウンド獲得へ向けた「My Helshinki WeChat Mini Program」の運営方法とその効果について客観的データをとりまとめる。また地方での観光MaaSの発展も進んでいることから、地方での運営方法と効果についても調べ、日本版観光MaaSを考察する。
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