研究課題/領域番号 |
20K12433
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 城西国際大学 |
研究代表者 |
岩本 英和 城西国際大学, 観光学部, 准教授 (80746727)
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研究分担者 |
松尾 徳朗 東京都立産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (80433142)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | MICE / ハイブリッド / 国際会議誘致 / 参加動機 / リスクマネジメント / 国際会議 / コンベンション・ビジネス / 開催選定基準 / ハイブリット会議 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、国際的な誘致競争が激化している国際会議に関する研究をテーマとする。国際会議誘致においては、観光庁[2016]が直接・間接効果を明らかにしているが、国内外の国際会議主催者の会議を誘致する際の開催地選定基準や国内外参加者が日本各地で開催される国際会議への参加動機については解明されていない。そこで、本研究では、①国外の既存研究から国際会議誘致における諸要素を洗い出し、②国内外主催者の開催地選定基準と国内外参加者の参加動機の要因のギャップ分析を行うことで、我が国が抱える国際会議誘致の課題を抽出し、③国内の国際誘致における改善指針の策定と提言を行う。
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研究実績の概要 |
科研費の研究では、我が国で開催されている国際会議に焦点をあて、現状の課題を明らかにすることを目的としている。本研究は、令和2年(2020年)から始まったが、新型コロナウィルス感染症の流行により、国際会議の最大の特徴であったインバンド観光の促進に寄与する点が停滞してしまったことで研究計画を変更せざるを得なくなった。 そこで本研究では、初年度から最終年にかけて、新型コロナウィルス感染症がMICE全般に与えた影響についての研究を整理し、コロナ前後の国際会議への参加動機の比較や国際会議開催におけるリスクマネジメントの研究を行った(Iwamoto, Matsuo, Sugiyama, 2020; 岩本, 2021; Hara & Iwamoto, 2021, Iwamoto & Matsuo, 2022)。これまでの調査結果では、新型コロナウィルス感染症が流行している時は、国内の参加者においてもオンラインでの参加を望む意見が多く、例え収束したとしてもすべての参加者がこれまでのような対面での参加を望むわけではないことが明らかとなった。 すでにハイブリッド型の国際会議が主流となっており、ハイブリッド会議の現状についてMICE関係者を対象にシンポジウムを開催し、現状の課題を共有した。ハイブリッド会議は、オンラインでの参加が可能であるため、国際会議への参加者数が増加する傾向にある。しかし、オンサイト(現地)参加者のように参加者間のネットワーキング(交流)を行うことが難しいこと、開催地への経済波及効果が少なくなってしまうことなど課題も多い。2023年5月現在のようにコロナ以前の生活を目指す今、ハイブリッド型の国際会議の特性を生かしつつも、オンサイト(現地)開催だからことできるメリットを再確認できる研究成果が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症が世界的に流行している間、ほぼすべての国際会議はオンラインで実施をされていたため、2020年と2021年に計画をしていた外国人参加者の国際会議誘致への参加を誘発する要因を十分に調査することができなかった。しかし、ハイブリッド型の国際会議に関する研究蓄積は今のところ極めて少ないので、オンライン参加者とオンサイト(現地)参加者の参加動機の差異などを調査することができた。2023年5月現在では、新型コロナウィルス感染症が「5類感染症」に移行になるなど、国際会議においても外国人参加者の増加が期待できる。国際会議の持つ優位性は、参加者間が一堂に会し交流をし、多くの知見を直接交換し合うことで新たな知見が生まれる環境構築こそ最大の特徴である。したがって、オンライン参加者がどのようにオンライン参加者とオンサイト(現地)参加者と交流をすべきか、またオンライン参加者を現地参加へと誘発する要因は何かと行った研究成果が求められる。オンサイト(現地)参加者の増加は、開催地への経済波及効果を高めるため、インバウンド観光の早期回復を目指す我が国においても必須であると考えられる。 今後、外国人参加者等が我が国の国際会議に参加するケースが増えるため、継続して参加動機を調査する。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、ハイブリッド型の国際会議が主流となりつつある。しかし、ハイブリッド型の国際会議開催についてのノウハウの蓄積が乏しく、現地参加とオンライン参加者とのネットワーク形成など運営面において新たな知見が必要となっている。ハイブリッド型の国際会議においても、現地参加者を主体に会議運営が行われることが多く、オンライン参加者との意見交換の機会は極めて少ない。 オンライン参加者は、時差の問題やネット回線が不安定なこともありリアルタイムでの交流が難しいところがある。したがって、国際会議がもつ利点を最大限に生かすためには、現地への参加を促す施策を練ることが望ましいと言える。 今後の研究では、参加者が現地参加をしたくなるようなコンテンツを提供することが重要であり、インバウンド観光の回復に寄与するためにも現地参加を誘発する要因の検証が大切である。
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