研究課題/領域番号 |
20K12438
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80020:観光学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
小野 良平 立教大学, 観光学部, 教授 (40272439)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自然歩道 / 参詣道 / 景観 / 身体性 / 自然公園 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の自然公園を核として整備の進められてきた自然歩道の計画論の再構築を目指し、風土に即した自然歩道計画に活かし得る歴史的参詣道の特性を把握することをねらいとする。自然公園と領域的重なりの大きい山岳信仰空間(霊山・霊場)に関わる代表的な参詣路を対象とし、その立地環境における周辺の自然環境との視覚的繋がりを分析することでその景観特性を明らかにし、さらにその資源性を自然歩道のネットワーク計画に活用する方法論を検討する。これらを通して、自然と文化が一体となった日本固有の環境・風土観の体験の場としての価値を有する観光対象として自然歩道を再評価し、その計画論の展開に資することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、観光計画論の立場から、山岳地の歴史的参詣道を対象に、移動に伴う景観体験の特性を明らかにし、その特性を自然歩道等の計画に資することを目的とした。 事例調査の結果、各参詣道では、到達目的地である寺社近傍で周辺への可視性が概ね最大ないし極大に達すること、またその手前において歩行者の身体的負荷の増分が極大に達し、負荷が低下する状況で可視性の極大値が訪れるラグが存在することが確認された。これらは参詣の体験を特徴づける原理の一側面として考察され、可視性と身体的負荷は地形から予測・評価可能であるため、登山道の新設や改修に際して両者の予測と調整が有用であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は自然地域における観光計画に関わる、山を巡る自然歩道での風景体験の質を高めるために歴史的な霊場への参詣道に学ぶことをねらいとしたものである。移動にともない変化する景観の質を捉える研究はこれまでにも存在したが、登山道における例は少なく、また視覚的な景観に限られていた。本研究では、風景とそれを体験する身体の状態の関係に注目した点にこれまでにない独自性がある。諸霊場では核心地付近の優れた眺望地に到達する少し手前に身体的疲労の増大のピークがあることなどが明らかとなり、この関係は登山道の新設や見直し計画に活かすことが可能である。
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