研究課題/領域番号 |
20K12457
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80030:ジェンダー関連
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
堀内 真由美 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (60449832)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | フェミニズム / ブラック・フェミニズム / ウィンドラッシュ世代 / ウィンドラッシュの娘たち / 避妊薬禁止運動 / カリキュラムの脱植民地化 / ジャマイカ / ブリクストン事件 / 旧英領西インド植民地 / 脱植民地過程における「歴史の創造」 / 西インド諸島労働移民 / ウィンドラッシュ・スキャンダル / デポ・プロベラ / ジェンダー / ポストコロニアル / 移民 / ウィンドラッシュ / 「ブラック・フェミニズム」 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の移民規制や移民排斥の潮流がもたらす深刻な影響は、欧州における反移民政治勢力の伸長、英国のEU離脱問題、「トランプ現象」などを通して頻繁に伝えられている。その一方で、植民地主義の近代史を紐解き、異なる言語文化や民族性を持つ人々が暮らすようになった経緯を丁寧に解説し、移民排斥勢力に対して、過去の支配―被支配関係に立ち戻る歴史的理解を促す地道な努力が続けられている。このような取り組みのうち、イギリスにおける事例を取り上げ、西インド諸島への植民地化から、脱植民地への過程、「ウィンドラッシュ世代」と呼ばれる移民の過酷な体験、その次世代が担ったイギリス社会への異議申し立て運動の諸相を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、西インド諸島からイギリスへの労働移民「ウィンドラッシュ世代」二世に注目し、世界規模で展開された植民地支配の歴史を紐解きつつ、日本社会も含めた今日の移民をめぐる諸問題解決への有効な議論を喚起することだった。コロナ禍のため、予定していたイギリスと西インド諸島への資料調査が実現できなかったが、これまでの研究でご縁を得た「ウィンドラッシュの娘たち」の1人である女性との交流と、西インド大学文学部刊行の学術誌の講読により、移民二世である彼女たちが体験した「本国イギリス」での苛烈な差別や排除の詳細と、長じて彼女たちが組織したイギリスにおける「ブラック・フェミニズム」の思想と運動が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「ウィンドラッシュの娘たち」の経験は、これまで、「本国」イギリスでも広く知られてきたとは言い難かった。研究代表者は、当事者の一人から、イギリスでの過酷な体験、教師として同胞の子どもたちに実践した教育理念、生まれ故郷ジャマイカに戻ってきた理由、そしてジャマイカでの教育実践を、直接聞くことができた。これにより、収集した書物やアーカイブに保存されている「娘たち」の活動記録と合わせ、第二次大戦後のイギリスにおける移民二世の体験の詳細を、書物にまとめることができた。書籍化により、日本を含む労働移民(外国人労働者)を受け入れるホスト国社会に期待される、歴史認識とはどのようなものかを広く示せたと考える。
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