研究課題/領域番号 |
20K12572
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
光藤 崇子 (齊藤崇子) 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(RPD) (70423522)
|
研究分担者 |
平野 羊嗣 九州大学, 大学病院, 講師 (90567497)
田村 俊介 九州大学, 医学研究院, 特任助教 (20883333)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 音声知覚 / 時間微細構造 / 振幅包絡成分 / ガンマオシレーション / 統合失調症 / 音声・音楽 / 周波数間相互作用 / γオシレーション / θオシレーション / 帯域間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
音信号には10Hz以下の頻度で生じる振幅包絡成分と50Hz以上の頻度で生じる時間微細構造が含まれ、前者は音の強度変化、後者は声の高さや音程といった音源情報の知覚に重要である。また、脳内には音の時間変動成分と対応する神経振動(γ、θ)が存在する。時間微細構造と振幅包絡成分の処理は互いに影響を及ぼしあうため、脳内でも時間微細構造の処理に関わるγ帯域神経振動と振幅包絡成分の処理に関わるθ帯域神経振動の間に相互作用が生じていると考えられる。本研究では健常群に加え聴覚情報処理に障害を持つ統合失調症者を対象として音声及び音楽刺激聴取時のγ、θ帯域神経振動とそれらの信号源、帯域間神経振動相互作用を検証する。
|
研究成果の概要 |
統合失調症(SZ)患者には言語機能障害があることが知られており、それは様々な主要症状と密接に関連している。しかし、言語機能障害の根底にある神経振動のメカニズムは十分に解明されていない。本研究では、時間分解能に優れる脳波用いて①まず健常者において音声・音楽刺激聴取中の神経振動の帯域間相互作用を解析することで、聴覚時間情報処理に係る脳内機構を解明する。②さらに音刺激に対する神経振動に異常が見られるとされる統合失調症を対象として同脳内機構の障害の程度を検出し、障害を予測するためのバイオマーカーの同定を目指した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では音の二つの時間変動成分に対する遅い神経振動と速い神経振動の相互作用に注目し、音声・非音声に共通する神経基盤を検証する。音声と非音声処理に共通する神経振動の脳内メカニズムについてはこれまでに検討されていない。また音声・非音声の聴取によって生じる神経活動や知覚結果を健常者と統合失調症患者とで比較することで複雑に時間変化する音刺激の知覚に関わる神経メカニズムについてより強固な知見を得られると考えられる。音声などの日常的に耳にする機会が多い音刺激を用いて健常者と統合失調者群の間の特徴的な神経活動の違いを見出すことが出来れば生態学的妥当性を満たす統合失調症の新たなバイオマーカーの発見に繋がる。
|