研究課題/領域番号 |
20K12609
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
渡邉 宣夫 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (00568644)
|
研究分担者 |
福井 浩二 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (80399807)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 赤血球変形能 / せん断脆弱性 / 血小板活性 / 血液損傷 / せん断応力 / 流れの可視化 / 一様せん断流れ / 変動せん断流れ / 高せん断応力 / 画像解析 / 血小板凝集 / 機械式血液循環装置 / 流れの可視化実験 / 血小板凝集能 / せん断負荷 / 心血管デバイス / 赤血球 / 血小板 / 血漿タンパク |
研究開始時の研究の概要 |
血液ポンプが発生する高せん断応力負荷に対する血液細胞の応答性については、いまだ明らかでない。そこで、申請者はせん断流れの中で血液細胞を可視化する実験装置を構築した。これまでに、赤血球がせん断刺激に応じNO産生する事、加えて過度にせん断刺激を受ければ損傷し異常形状が出現する事を明らかにした。加えて、最近の予備実験から、赤血球損傷時に膜酸化が生じる可能性、および血小板凝集能がせん断条件に応じてピークを示す可能性を示唆するデータを得た。そこで、本研究は更にこれらの研究成果を発展させ、一様せん断条件および心血管デバイス内部を想定した変動せん断条件においての血液細胞のせん断応答性を解明する
|
研究成果の概要 |
高せん断に起因した血液損傷理解の為、豪州と独国と国際共同研究を実施した。60Paのせん断応力にさらされると100秒以上で損傷赤血球数が増加、これを画像解析にて形状非対称性検出することで同定できる事(Sci Rep)、血液がせん断にさらされると血漿タンパクvWF細分化、血小板活性、溶血の順に複合的に生じる事(J.Biomech.)、さらには、溶血と血小板凝集現象との間の関連性が示唆される事(J Biorheol)など明らかにした。加えて、変動せん断流れ環境を再現するため、正弦曲線的なせん断応力を発生する流れ装置を構築し、赤血球の独特な変形応答を可視化できた(AIP Advances)。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は一様・変動せん断応力下における赤血球単体の変形能およびせん断脆弱性について例示する事ができた。さらに、多数の健常者赤血球の流動変形応答性を検証する事、またそれと対比する事で赤血球変形能低下を伴う病的疾患の診断方法開発へ応用できる可能性が期待される。また、細胞加齢にともなう細胞変形応答性の詳細把握は、赤血球の生理学を前進させる知見につながる可能性がある。さらに、せん断応力の長時間の負荷に対する脆弱性評価も今後可能になり、血液ポンプなどの機械式血液循環装置の血液適合性や、患者血液毎にその赤血球の変形能やせん断脆弱性を考慮したデバイス選定や治療方針をたてる事が可能になる事が期待される。
|