研究課題/領域番号 |
20K12616
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
佐藤 大介 山形大学, 大学院理工学研究科, 助教 (60536960)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 末梢交感神経 / 糖取り込み / インスリン / 機能的電気刺激 / インスリン抵抗性 / 糖代謝 / 脂質代謝 / 生活習慣病 |
研究開始時の研究の概要 |
メタボリックシンドロームが問題視される現代において、良好な血糖・血中脂質を維持することは、糖尿病の進展や合併症予防の主軸とされている。その一方で、高齢化社会を背景に、長時間の運動は困難を伴う場合も考えられる上に、血糖コントロールのための注射剤使用時の苦痛や低血糖等の副作用は依然として存在する。本研究では、投薬や運動によらない全く新しい糖・脂質代謝制御法として、末梢交感神経系の人工的な賦活を提案するべく、その基礎段階として、病態モデル動物での末梢交感神経電気刺激の糖取り込み亢進効果を検証するとともに、この電気刺激による脂質代謝制御の可能性についても検討を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、高脂肪食によるインスリン抵抗性亢進下での末梢交感神経電気刺激の糖取り込み亢進効果を検証するとともに、この電気刺激による脂質代謝制御の可能性について検討した。 ラット片側坐骨神経内を走行する交感神経へ電気刺激を行うと、健常及び高脂肪食ラットのいずれにおいても糖取り込みを亢進したが、血糖値の低下には寄与しなかった。 この電気刺激は、健常ラットでは骨格筋のPGC-1αを介して糖取り込みを亢進するのみならず、脂肪組織での脂肪分解も亢進することで肝臓での糖新生も亢進し、結果的に血糖低下を補償している可能性が示唆された。その一方で、高脂肪食ラットでの血糖調節機序は本研究では明らかにならなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
耐糖能障害や脂質異常症等の諸症状に対する有効な治療法のニーズは高く、例えば、良好な血糖・血中脂質を維持することは、糖尿病の進展や合併症予防の主軸とされている。その一方で、高齢化社会を背景に、長時間の運動は困難を伴う可能性も高く、薬物療法であっても、注射剤使用時の苦痛や低血糖等の副作用は依然として存在する。 本研究は、糖及び脂質代謝を人工的に制御する医療機器の開発へと繋げるために、末梢交感神経系の人工的な賦活を介したエネルギー代謝制御を目指すとともに、その作用メカニズムの解明にも寄与するものである。
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