研究課題/領域番号 |
20K12638
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
閔 庚甫 公益財団法人東京都医学総合研究所, 基盤技術支援センター, 主席研究員 (50596103)
|
研究分担者 |
李 鍾昊 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (40425682)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 中枢性運動麻痺 / 固有感覚 / 計算モデル / 運動指令の推定 / 筋電図信号 / 皮質脊髄路 / 脳の病態 / 運動病態解析 / 脳中枢の筋制御仕組み / 脳内座標系 / 計算システム |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中患者は、脳内の血管の詰まりや損傷により、運動制御において重い障害を持つ。これにより、一次運動野(M1)における運動制御のための機能マップに異常が生じ、M1における固有感覚情報である筋骨格系の状態の認知機能にも異常が生じると考えられる。本研究では、体性感覚野からフィードバックされた筋長や関節角のような筋骨格系運動状態を認知し、連合野からの運動指令を筋の協調制御信号としてコーディングする固有感覚座標系がM1にあると想定する。この座標系において、脳卒中の運動制御の病態を固有感覚認知による運動指令コーディングの側面で定量的に評価する計算システムの構築を目指す。
|
研究成果の概要 |
脳卒中による中枢性運動麻痺は、皮質脊髄路制御系における脳中枢と脊髄や末梢の筋への制御信号の伝達システムの異常による運動障害であり、その分析のために、末梢の筋から測定した筋電図信号の解析により、皮質脊髄路における運動指令の伝達状態を定量的に診断する計算モデルの研究を行った。先ず、構築した計算モデルを用いて皮質脊髄路における運動指令の伝達異常がない複数の正常被験者の筋電図信号の解析を行い、運動野から下る運動指令の推定を可能にした。この値をベースとし、計算モデルによって筋電図信号から推定した中枢性運動麻痺状態での運動指令を、皮質脊髄路における末梢への伝達の異常の側面で診断する計算システムを構築した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
固有感覚情報である筋骨格系の動的な状態の認知仕組みに基づき、脳中枢の大脳皮質脊髄路の運動指令のコーディングと筋制御信号へのデコーディングのメカニズムを新しく計算モデル化した。本モデルを用いた筋電図信号の解析によって、固有感覚情報の認知体系が運動状態の認知だけではなく、運動制御への関わりも新しく示した。また、本モデルを用いて脳中枢の運動麻痺状態の定量化モデルを提案することにより、高齢化に伴う社会的に大きな負担となっている脳卒中やその関連病気における定量的な診断モデルを提示し、リハビリを伴う診断と回復の臨床医学分野に貢献できる可能性を示した。
|