研究課題/領域番号 |
20K12644
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90120:生体材料学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大野 博久 京都大学, iPS細胞研究所, 特定拠点助教 (90612391)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 人工mRNA / 5'キャップ / 化学修飾 / 遺伝子治療 / RNAワクチン / 5' キャップ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、人工メッセンジャーRNA(mRNA)を利用する遺伝子導入が注目されている。DNAを使う既存の方法に対して、RNAはゲノムDNAに予期しない変異を生じさせる危険性が少ないため、より安全性が高い。しかし、RNAは極めて分解されやすい分子であるため、遺伝子発現の持続時間が短く発現強度も比較的低い。 これらの課題を解決するために、本研究では、人工mRNAの安定性や遺伝子発現活性を高めることができる化学修飾を調べ、実用的な遺伝子導入プラットフォームとなりうる高機能な人工mRNAの開発を行う。高機能な人工mRNAを実現できれば、遺伝子治療やRNAワクチンへの応用が期待できる。
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研究実績の概要 |
近年、人工メッセンジャーRNA(mRNA)を利用する遺伝子導入が注目されている。DNAを使う既存の方法に対して、RNAはゲノムDNAに予期しない変異を生じさせる危険性が少ないため安全性が高い。しかし、RNAは不安定な分子であり、遺伝子発現の持続時間が短く発現強度も比較的低い。これらの課題を解決するために、本研究では、化学修飾により人工mRNAの安定性や遺伝子発現活性を高め、実用的な遺伝子導入プラットフォームとなりうる高機能な人工mRNAを開発する。そのような人工mRNAの実現は、遺伝子治療やRNAワクチンといった応用につながると期待される。 これまでに、mRNAの重要な構成要素である5'キャップの修飾について、ある種の酵素を用いることで様々な種類の修飾を高い効率でキャップ部位へと導入できることを見出した。合成した多様なキャップ修飾がそれぞれ様々なレベルのタンパク質発現レベルを示すことが確認でき、また修飾5'キャップにクリック・ケミストリーを組み合わせることでさらなる機能の付加が可能なことも示すことができた。また、上記とは異なるRNA安定性改善のアプローチとして環状RNAの合成や評価も行った。 本年度は、さらなる人工mRNAの高機能化を目指して様々なアプローチを行い、免疫応答の抑制による翻訳能の改善、修飾塩基を含む環状RNAを合成するための新たなツールの開発、特定のマイクロRNAの発現に基づいて出力タンパク質の発現を制御する系の開発に成功した。 これらの技術・知見は、現在の人工mRNA技術の各種課題を解決するのに役立つと考える。
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