研究課題/領域番号 |
20K12704
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
福地 知則 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (40376546)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 陽電子断層撮影法 / PET / 複数核種同時イメージング / Sc-44 / Ti-44 / RIジェネレータ / がん診断薬 / 複数核種 / ジェネレータ |
研究開始時の研究の概要 |
陽電子断層撮影法(PET)は、放射性トレーサーの生体内分布を非侵襲的に可視化する手法で、疾患の臨床診断や新薬開発に広く利用されている。申請者は、複数のトレーサーを同時にイメージング可能なMulti-isotope PET(MI-PET)の開発を進めている。本研究は、具体的なアプリケーションを開発することでMI-PETの有用性を示し、将来の実用機開発の足掛かりとすることを目的としている。そのために、MI-PET用トレーサー核種であるSc-44で標識した新規のイメージング薬剤の開発、およびSc-44利用の汎用性を高めるためにTi-44を親核(半減期 59.1年)としたTi-44/Sc-44ジェネレータの開発を進める。
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研究成果の概要 |
2種類のがん診断用トレーサーをがん疾患モデルマウスに同時投与し、開発中の複数トレーサー同時イメージングPET(MI-PET)によるイメージング実験を遂行した。その結果、2種類のトレーサーの動態を分単位の時間分解能で追跡することに成功した。これにより、MI-PETを使うことで、異なる薬剤の同一動物個体、同一条件下で直接比較が可能であることが示された。また、MI-PET使用の利便性を高めるために、MI-PET用核種Sc-44をオンサイトで供給可能なTi-44/Sc-44ジェネレータの製造を進め、数回の小動物イメージング実験の必要量である約8 MBqのTi-44の製造に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MI-PETは、我々が世界に先駆けて複数トレーサーの同時イメージングを可能とした装置であり、この手法の発展を先導することは、核医学イメージングの可能性を拡げる学術的意義があると考えている。本研究では、MI-PETの応用として、複数のがん診断薬の同一生体・同一条件下での直接比較を行い、詳細な動態解析が可能であることを明らかとした。本成果を足掛かりとしてMI-PETの実用化を推進することで、「キャリアーと薬剤の2重標識によるドラッグ・デリバリー・システムの検証」、「異なる疾患の同時診断」、「アルツハイマー病の多角的診断」など、他の手法では成し得ない新規の診断を創出する社会的意義がある。
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