研究課題/領域番号 |
20K12762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90150:医療福祉工学関連
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研究機関 | 石川工業高等専門学校 |
研究代表者 |
藤岡 潤 石川工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (20342488)
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研究分担者 |
穴田 賢二 石川工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (30756531)
任田 崇吾 石川工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (50847382)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | アシストスーツ / 福祉機器 / 双方向クラッチ / 軽労化 / 補助トルク / 係合条件 / 受動型アシストスーツ / 筋力補助 / 自己保持機構 / 弾性エネルギー / 筋骨格動力学 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の生活を支援し自立を促すロボット介護機器の開発が強く求められている。なかでも動力を必要とせず、小型、軽量で装着負担が小さい無動力アシストスーツに大きな期待が寄せられている。従来の無動力スーツは姿勢維持などの受動的な補助や支持が主な役割であり、持ち上げ時の上肢筋力補助など、動作方向への能動的な筋力補助が難しいとされてきた。本研究では双方向自己保持機構を用いることで動作方向の筋力補助が可能な新しい無動力アシストスーツの実現を目的とする。本研究は高齢者の日常的な生活支援を可能とする技術開発研究であり、来る100歳時代における高齢者の自立支援やQOL向上に大きく貢献すると考える。
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研究成果の概要 |
受動的に双方向の伝達力切り替えが可能な自己保持関節を開発し、それを使用したアシストスーツを製作した。さらに運動学モデルに基づく筋力補助効果を解析することで、本スーツにおける弾性材とフレームの最適設計手法を確立した。実際に製作した装置により、持ち上げ、運搬等の作業動作を支援した際の筋力補助効果を筋電位により定量的に評価した。評価結果よりアシストスーツの利用により、持ち上げ時の軽労化と、姿勢保持時の筋疲労の低下が確認された。以上の結果より、動作方向の筋力補助を可能とした従来にない機構、利点を有する無動力のアシストスーツが実現したと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
受動型アシストスーツは小型軽量で利便性の高い装置であるが、原理的に動作方向の筋力補助に適さない。本システムは受動型の長所を損なうことなく動作方向の能動的な筋力補助を可能とする点で、福祉工学における従来の受動型アシストスーツの概念を覆す新たな成果として意義深い。アシストスーツは日常生活作業の負荷軽減のみならず、農作業や介護などの重労働支援、障害者やリハビリテーションのサポート等で広く活躍が期待されている。本研究成果は、生活支援だけでなく、こうした一般的な労働作業支援環境における受動型アシストスーツの利用拡大と促進にもつながることから、少子高齢化社会における総活躍社会の実現に広く貢献する。
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