研究課題/領域番号 |
20K12805
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分01020:中国哲学、印度哲学および仏教学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
岡田 英作 愛媛大学, 教育学研究科, 助教 (90824144)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 瑜伽行派 / 種姓 / gotra / 本性住種姓 / 習所成種性 / 菩薩地 / 大乗荘厳経論 / 注釈文献 / インド仏教 / 瑜伽師地論 / 習所成種姓 / 『瑜伽師地論』 / 『大乗荘厳経論』 |
研究開始時の研究の概要 |
インド大乗仏教の瑜伽行(ヨーガの実践)派における種姓(素質)説は、万人にとっての般涅槃や菩提への素質の有無や相違を扱っている。この種姓説は、大乗仏教圏の修道論や救済論を議論する上で欠かせず、インドのみならず中国・日本仏教にも多大な影響を与えている。本研究は、そうした地域の中でもインド仏教を対象とし、瑜伽行派の中期から後期への種姓説の史的展開に着目する。初期瑜伽行派の文献の中で種姓を主題として取り上げる『瑜伽師地論』「菩薩地」ならびに『大乗荘厳経論頌』と、両論に対する中期・後期瑜伽行派の注釈文献とを文献学的に研究することで、注釈史という点から、瑜伽行派における種姓説の思想的変遷を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、インド大乗仏教の瑜伽行(ヨーガの実践)派における初期文献『菩薩地』『大乗荘厳経論頌』と、両論に対する中期・後期の注釈文献とを対象として、種姓(素質)説の思想的変遷の解明に取り組んだ。 特にその成果として、各文献に共通して解説が認められる、先天的な本性住種姓および後天的な習所成種姓という二種姓について、5、6世紀頃には異説が認められないが、それ以降の、著者問題を抱える『経荘厳注疏』ならびにサーガラメーガ(8世紀頃)著『菩薩地解説』には互いに類似する説が3つ伝わっていることを明らかにし、そうした説は『菩薩地』以降の種姓説に関連する教理の展開との整合性をとる中で生じてきた可能性を指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、種姓説の史的展開という観点を採り入れ、瑜伽行派の中期から後期への展開に光をあてる点に独自性がある。その学術的・社会的意義は、(1)種姓説の史的展開の全貌を再構築することに向けた基盤となる点、(2)他の瑜伽行派思想に関する研究分野に対して、初期から後期までの瑜伽行派文献を縦断的に扱う研究モデルを提示する点、(3)種姓説の伝わる中央・東アジア仏教圏における仏教思想の独自性の解明という発展的研究に展開し得る点である。
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