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20世紀アフリカ系アメリカ文学におけるエンパシーの表象戦略

研究課題

研究課題/領域番号 20K12961
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分02030:英文学および英語圏文学関連
研究機関三重大学

研究代表者

田畠 健太郎  三重大学, 人文学部, 准教授 (10837305)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 完了 (2022年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワードエンパシー / アフリカ系アメリカ文学 / リチャード・ライト / 共感 / 感情移入 / 20世紀アメリカ文学
研究開始時の研究の概要

本研究は、20世紀アフリカ系アメリカ人小説におけるエンパシーの詩学的政治戦略を系譜学的に考察する。最新の学際的エンパシー理論を参照しながら、作者と読者のものを含む同時代のエンパシー言説を踏まえて作品分析することで、エンパシーの情緒性を評価しつつその政治性を見極める。エンパシーという視点から20世紀アフリカ系アメリカ人小説作品に新たな解釈を加えることで、「(人種の違いが問題となっている)小説を感情移入しながら読むことにどういう意味があるのか?」というような、現代の読者にも「感じられる」現在的な問題設定を提示し、その問いに批判的かつ肯定的に答えられる研究を実施する。

研究成果の概要

最新のエンパシー理論を参照しながら、アフリカ系アメリカ人作家の嚆矢であるリチャード・ライトによる代表作『アメリカの息子』におけるエンパシーの描かれ方を、主に物語理論的な観点とより合わせながら、批判的に吟味した。共感を感じたり感情移入しながら小説を読むことは、読者や登場人物が人種的・政治的・文化的な他者に近づくために必要不可欠な心理的回路である一方で、その共感や感情移入は決して完遂することはできず、しかし完遂できないからこそ他者を他者として尊重しつつその他者に魅了され続けることができるという複雑な態度を要請することを、当該作品の丹念な精読によって明らかにした。

研究成果の学術的意義や社会的意義

小説作品の読書における共感的・感情移入的態度の肯定的効果は、文学というジャンルの凋落の今日的状況に抵抗するためのよすがとして、無批判に喧伝されることが多いが、本研究が批判的に明らかにした成果は、その肯定的効果を一概に否定するものではないが、共感的・感情移入的読書の危うさと魅力を同時に捉えるものであり、その意義をより精緻に検討したことで、読書という行為の基盤にかかわる知見への貢献として役に立つ。

報告書

(4件)
  • 2022 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] リチャード・ライト『アメリカの息子』再読(II)――『アメリカの息子』におけるエンパシーの検討――2023

    • 著者名/発表者名
      田畠健太郎
    • 雑誌名

      Philologia

      巻: 54 ページ: 1-29

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] リチャード・ライト『アメリカの息子』再読(I)――『アメリカの息子』におけるエンパシーの検討――2022

    • 著者名/発表者名
      田畠健太郎
    • 雑誌名

      Philologia

      巻: 53 ページ: 21-40

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 小説のエンパシー理論II――Martha C. Nussbaumのエンパシー理論の検討――2021

    • 著者名/発表者名
      田畠健太郎
    • 雑誌名

      Philologia

      巻: 52 ページ: 31-57

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • オープンアクセス

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-01-30  

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