研究課題/領域番号 |
20K13127
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
細田 雅也 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00825490)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 英語教育 / 文理解 / 潜在的因果性バイアス / 代名詞処理 / 代名詞解析 / 心理言語学 / 第二言語習得 / 読解 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,英語学習者が動詞の潜在的因果性 (implicit causality: IC) を使って,読解中に代名詞を処理するメカニズムを解明する。ICの例として,人が誰かを奮い立たせるのは,普通「奮い立たせる側」に理由や原因があると考えられる。このためBob inspired Ken because he...のheは,主語のBobを指すバイアスがかかる。このようなICに基づく代名詞解析が,英語学習者の読解中に起こる条件について,動詞の性質,学習者の個人差,読解教示の3観点より解明する。それによって,学習者が情報間のつながりを作るメカニズムを,単語レベル処理の精細さで記述する。
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研究実績の概要 |
今年度は,英文読解中の代名詞解釈に,動詞の潜在的因果性バイアス (implicit causality bias: ICバイアス) がどの程度利用されているのかを検証する実証実験を行った。 実験では,日本人大学生に,ICバイアスが代名詞の性と一致する (e.g., Ken respected Sara because she...),もしくは不一致 (e.g., Sara respected Ken because she...) の英文を複数,自己ペースで読んでもらい,代名詞とそれに続く領域の読解時間を測定した。読解時間を,一致不一致の条件間で統計的に比較した結果,(a) ICバイアスは代名詞解釈にリアルタイムで影響していること,さらに,(b) その影響は文処理の初期段階で発生していることが確認された。現在はこの結果を論文としてまとめている最中である。 さらに,この結果を発展させるために,視線計測機器 (アイトラッカー) を導入し,これを用いた視線計測実験を計画している。次年度以降はこの実験を,可能であれば複数回行い,ICバイアスの代名詞処理への利用について,より時間的,空間的解像度の高いデータを得る。 最終的には,研究期間内に,外国語文処理におけるICバイアスの影響を包括的に考察した論文を作成し,国際誌へ採択させることを目標とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の基礎的研究として,英文読解中のICバイアス利用に関する実験を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,導入したアイトラッカーを用いた視線計測実験を行う予定である。そのために,まず複数人を対象に予備的実験を行い,その結果に基づき,アイトラッカーの調整や,実験マテリアルの修正を行う。 その後,日本人大学生数十名を対象に,視線計測実験を行う。実験結果は,今年度に得られた結果と合わせて論文としてまとめ,関連分野の国際誌に投稿する。
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