研究課題/領域番号 |
20K13234
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高椋 浩史 九州大学, アジア埋蔵文化財研究センター, 学術研究者 (10759418)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 古人骨 / 考古学 / Sr同位体比分析 / 広田遺跡 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、鹿児島県の種子島に所在する弥生時代終末期から古墳時代にかけての墓地遺跡から出土した人骨資料を用いて、人の移動を解明することを目的とする。具体的な分析手法として、人骨の歯牙のSr同位体比分析をおこない、幼少期に出土遺跡周辺とは異なる地質環境で成長した個体を抽出し、その個体についての形質人類学や考古学の情報を統合し、当該地域の人の移動の様相を把握する。これらを通じて、古代国家形成前における南島の歴史像をより具体的に復元することを目指す。
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研究実績の概要 |
今年度は広田遺跡の下層出土人骨資料のSr同位体比分析を完了させ、その分析結果の整理をおこなった。また、広田遺跡下層出土人骨資料を対象として放射性炭素年代測定を実施した。広田遺跡出土人骨の年代については、考古学において年代を推定するための有効な指標とされている土器資料がそれぞれの墓に必ずしも副葬されていない。そのため、広田遺跡においては最も副葬品の量が多い貝製装飾品の型式およびセット関係に基づき、それぞれの墓の時間的配列が把握されてきた。 本研究では、Sr同位体比分析をおこなった人骨資料の年代的位置づけと、先行研究で指摘されている貝製装飾品を中心とした副葬品に基づく墓地形成の時間的変化を検討すべく、広田遺跡下層人骨を対象として放射性炭素年代測定を実施した。分析対象資料は、Sr同位体比分析により広田遺跡周辺の地質環境の外から移住してきたと推定される個体、そして貝製装飾品の型式およびセット関係の時間的変化の画期となる個体を中心に選定した。年代測定の結果、現時点ではこれまでの研究で指摘されてきた広田遺跡の下層資料の年代的位置づけと大きな齟齬はなかった。今後、年代測定資料を増やし、広田遺跡下層資料のなかでの細かな時間的変化を捉えることができるのかを検討していく。その上で、研究成果を報告するための準備を開始し、Sr同位体比分析をおこなった人骨資料の形質的情報や、埋葬に関わる考古学的情報の収集をおこない、Sr同位体比分析の結果との統合作業をおこなっていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していた資料の分析を完了させており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、広田遺跡下層人骨資料の放射性炭素年代の測定を継続し、Sr同位体比分析については分析結果の成果を公開する準備をおこなっていく。
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