研究課題/領域番号 |
20K13236
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 駒澤大学 |
研究代表者 |
角道 亮介 駒澤大学, 文学部, 准教授 (00735227)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 中国考古学 / 青銅器 / 甲骨文 / 西周時代 / 祭祀 / 姚河ゲン遺跡 / 西周 / 甲骨 / 動物犠牲 / 姚家ゲン遺跡 / 封建 / 涇河(涇水) / 千河 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、西周前期から中期における西周王畿西方の諸侯国への王朝からの政治的働きかけと、それへの諸侯国側の反応を解明することを目的とする。西周期の西方疆域への研究はほとんどなされておらず、一部の遺跡に対する個別の検討が存在するのみである。本研究では、王畿西方の諸遺跡を網羅的に検討し、青銅器祭祀と甲骨祭祀・動物犠牲を対比させて検討することで、王朝による西方疆域への政治的働きかけを明らかにすることを試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は、中国・西周時代の地方支配について、中央による政治的コントロールがどのような物品を通じて実効性を持ったのかを考古学的に検討した研究である。西周王朝は政治的な役割をこめて祭祀用の青銅器を作成・配布していたが、甘粛省姚河ゲン遺跡で発見された西周初期の有字甲骨の存在は、王朝による甲骨祭祀を通じた政治支配の可能性を提起していた。 しかし本研究を通じて、西周時代の非中央地域において姚河ゲン遺跡以外に有事甲骨を出土する遺跡は基本的に存在せず、甲骨祭祀は当遺跡でのみ限定的に行われた行為であったことが分かった。西周王朝の政治的支配を物語る物質文化は、祭祀用の青銅器だけであったと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
西周時代は、東アジア世界における国家形成期の社会である。人々が自らの社会を変革してゆく中で、なぜ国家を形成したのは必然だったのか、偶然だったのかを検討することは、人類の特性とその歴史を理解するうえで非常に重要な視点をもたらすものと思われる。 本研究を通じて、西周時代の国家形成において、祭祀行為そのものの共有よりも、希少性を有する物品の共有こそが社会の拡大により重要であったことが分かった。西周王朝の成立は、青銅器という希少品を利用したことその特徴があり、だからこそそれ以前の社会とは異なる複雑化した社会を達成できたとも考えられる。社会の拡大を望む主体の存在が、権力という概念につながったと想定される。
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