研究課題/領域番号 |
20K13292
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 兵庫教育大学 (2021-2023) 国立民族学博物館 (2020) |
研究代表者 |
茶谷 智之 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (20824808)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | インド / スラム / 中等教育 / 社会参加 / 仲介者 |
研究開始時の研究の概要 |
世界各地では、難民や移民、都市貧困層などへの差別や排除が強まり、権利が権利として保障されない人々が増加している。本研究では、権利保障の確実性が乏しいインド・デリーのスラムにおいて、中等教育脱落者の若者がどのように仕事や政治活動等への参加を実現しているのかを描写・分析する。その際、スラムの若者が頼る仲間や組織、ネットワークに着目しながら、若者がつくりだす生きる場の可能性と限界について考察することが本研究の目的である。
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研究成果の概要 |
本研究では、デリー全体の中等教育の動向として、中等教育進級者の約半数が修了試験ではなく前期中等教育の1年目で中退する傾向があることを資料調査により把握した。その上でフィールドワークを通して、調査地のスラムに暮らす若者には1年目で中退せずに進級する若者や、中等教育を修了して仕事を始めている若者も多数いることが明らかとなった。そこにおいて中等教育段階での進級や修了という学歴、中等教育段階で選択するコースが若者の職業選択の構想と深く関連していること、中等教育学校で広がる友人関係を通して初等教育段階で脱落したスラムの若者とは異なる生活世界を作り出していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、社会的な排除の対象とされる傾向がある都市スラムの若者が、政府の学校や教師、中間層家庭の友人に対抗や抵抗するのではなく、中等教育の学歴や経験、そこで生まれる友人関係を参照点としながら補完的な関わりを通して自らの社会参加を模索していることを提示することができた。その成果は、難民や移民、都市貧困層などに対する排除が強まり、権利が権利として保障されていない人々の増加する世界各地において、マイノリティにとって重要な生の基盤が、若者の通う中等教育との関わりの中で生成されている実態を示す研究となる。
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