研究課題/領域番号 |
20K13311
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
小牧 亮也 岐阜大学, 地域科学部, 助教 (90836040)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 水道民営化 / フリント水道危機 / 地方自治 / 環境的正義 / 水道事業の民営化 / 水への人権 / 民主的統制 |
研究開始時の研究の概要 |
日本において水道民営化を促進する改正水道法が成立したことを受けて、水道民営化を支える法制度が住民の要求への応答可能性を持つものか否かを検証するために、アメリカで発生した水道汚染事件(フリント水道危機)の背景をなす法制度の分析を行う。 その際、同事件の発生地域が特殊な社会構造(人種的マイノリティおよび貧困層の割合が高い)を有していたことに注意して、あるべき法制度を社会構造との関係のなかで考察する。
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研究成果の概要 |
民営化後の水道サービスの適正性確保における市民社会による「規制」の意義とその機能条件を明らかにする目的で、アメリカのミシガン州フリント市で発生した水道水汚染事件(フリント水道危機)とその政治的背景をなすミシガン州法の調査・分析を行った。 その結果、市民社会による「規制」を機能させるには、住民代表機関が住民の要求に応答できる制度的条件を整えるとともに、住民と専門家の協働を日常的に形成することが課題になることが明らかとなった。また、こうした観点は、日本の法制度とその運用を評価する際にも有用であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
民営化を支える法制度に組み込まれる規制を基礎づける理論枠組みとして、ドイツ流の保障国家論が有力に提唱されているが、それに対して、本研究は、アメリカのミシガン州フリント市で発生した水道水汚染事件を手がかりとして、民営化後の水道サービスの適正性確保における市民社会による「規制」の意義とその機能条件を明らかにした。 こうした新たな「規制」アプローチへの注目は、「規制」の多元的な把握を可能にするとともに、民営化された水道事業に対して現に行われている市民による監視や批判を理論的に位置付けることも可能にし、この点に本研究の学術的・社会的意義を見出すことができる。
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